通過障害を来した胸部Chronic expanding hematomaの1手術例

症例は74歳女性.41年前,横隔膜ヘルニアにて開胸手術を受けた.以前より胸部X腺にて左胸腔内の巨大な腫瘤を指摘されていたが,慢性膿胸の診断にて経過観察を受けていた.数年後,咳嗽・血痰が出現し,労作時呼吸困難が強くなり,次第に安静時にも呼吸困難感が出現したために,HOT療法を受けていた.その後食物の通過障害も強くなり,対側縦隔まで増大するようになった慢性出血性膿胸を経験した.左胸膜肺全摘術と共に24×15×15 cm,2880 gの被包化された血腫を摘出した.術後は縦隔の変位も改善し,HOT療法も必要が無くなり,QOLの改善が得られた....

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Published in日本呼吸器外科学会雑誌 Vol. 26; no. 2; pp. 197 - 202
Main Authors 仁木, 俊助, 斎藤, 勢也, 田中, 隆, 川上, 行奎, 香川, 典子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会 15.03.2012
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ISSN0919-0945
1881-4158
DOI10.2995/jacsurg.26.197

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Summary:症例は74歳女性.41年前,横隔膜ヘルニアにて開胸手術を受けた.以前より胸部X腺にて左胸腔内の巨大な腫瘤を指摘されていたが,慢性膿胸の診断にて経過観察を受けていた.数年後,咳嗽・血痰が出現し,労作時呼吸困難が強くなり,次第に安静時にも呼吸困難感が出現したために,HOT療法を受けていた.その後食物の通過障害も強くなり,対側縦隔まで増大するようになった慢性出血性膿胸を経験した.左胸膜肺全摘術と共に24×15×15 cm,2880 gの被包化された血腫を摘出した.術後は縦隔の変位も改善し,HOT療法も必要が無くなり,QOLの改善が得られた.
ISSN:0919-0945
1881-4158
DOI:10.2995/jacsurg.26.197