Soft plaque検出における頸動脈エコーと高分解能MRIとの比較

「目的」頸部頸動脈狭窄病変では,重度狭窄は脳の低灌流の原因にもなり重要であるが,狭窄度と加えて重要となるのがplaque自体の安定性である.いわゆる不安定plaqueの診断は,脳塞栓の危険性との関連から重要である5,7,12,13)が,plaque自体の安定性はその内部の組織性状により左右される.豊富な脂質成分を有する"soft plaque"は不安定plaqueである事が多く11),その検出はその後の治療方針を決定するうえでも極めて重要である.非侵襲的なplaque評価法のひとつとして,頸動脈エコーは,簡便かつreal timeに頸動脈壁や血流の状態を評価でき以前より広く...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published inNeurosonology Vol. 18; no. 2+3; pp. 69 - 73
Main Authors 永田, 泉, 川久保, 潤一, 森川, 実, 堤, 圭介, 本田, 優, 川原, 一郎, 北川, 直毅, 林, 健太郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人日本脳神経超音波学会 2005
日本脳神経超音波学会
Online AccessGet full text
ISSN0917-074X
DOI10.2301/neurosonology.18.69

Cover

More Information
Summary:「目的」頸部頸動脈狭窄病変では,重度狭窄は脳の低灌流の原因にもなり重要であるが,狭窄度と加えて重要となるのがplaque自体の安定性である.いわゆる不安定plaqueの診断は,脳塞栓の危険性との関連から重要である5,7,12,13)が,plaque自体の安定性はその内部の組織性状により左右される.豊富な脂質成分を有する"soft plaque"は不安定plaqueである事が多く11),その検出はその後の治療方針を決定するうえでも極めて重要である.非侵襲的なplaque評価法のひとつとして,頸動脈エコーは,簡便かつreal timeに頸動脈壁や血流の状態を評価でき以前より広く使用されている5,7,10,13).一方近年では,高分解能Magnetic Resonance Image(MRI)を用いたplaque性状診断が盛んに行われ,その有用性が数多く報告されるようになった1,3,13,14).今回われわれは,頸動脈エコーと高分解能MRIによる"soft plaque"検出能を実際に手術にて得られた病理標本をもとに検証する.「対象」2003年4月から2005年10月までに,頸部頸動脈狭窄病変に対し頸動脈内膜剥離術(CEA:carotid endarterectomy)を施行した連続24症例25病変(男性22病変,女性3病変)を対象とした(Table 1).
ISSN:0917-074X
DOI:10.2301/neurosonology.18.69