術前診断しえた十二指腸乳頭部癌肉腫の1例
症例は85歳の男性で,発熱,腹痛を主訴に精査を施行された.腹部造影CTで乳頭部に15 mm大の造影効果を伴う腫瘍性病変を認め,内視鏡検査で乳頭部の潰瘍腫瘤型の病変を認めた.生検組織のHE染色で未分化癌が疑われたため免疫染色検査を追加したところ,CKAE1/AE3(+),CK8/18(+),vimentin(一部+)であり,上皮性悪性腫瘍成分と非上皮性悪性腫瘍成分の混在する癌肉腫と診断された.幽門輪温存膵頭十二指腸切除術を施行し,病理学的検査で十二指腸乳頭部癌肉腫と最終診断された.リンパ節転移は認めず,希望により術後補助療法は施行しなかった.術後4か月に多発肝転移を指摘され,さらに術後6か月で死...
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Published in | 日本消化器外科学会雑誌 Vol. 52; no. 8; pp. 432 - 440 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本消化器外科学会
01.08.2019
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Subjects | |
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ISSN | 0386-9768 1348-9372 |
DOI | 10.5833/jjgs.2018.0085 |
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Summary: | 症例は85歳の男性で,発熱,腹痛を主訴に精査を施行された.腹部造影CTで乳頭部に15 mm大の造影効果を伴う腫瘍性病変を認め,内視鏡検査で乳頭部の潰瘍腫瘤型の病変を認めた.生検組織のHE染色で未分化癌が疑われたため免疫染色検査を追加したところ,CKAE1/AE3(+),CK8/18(+),vimentin(一部+)であり,上皮性悪性腫瘍成分と非上皮性悪性腫瘍成分の混在する癌肉腫と診断された.幽門輪温存膵頭十二指腸切除術を施行し,病理学的検査で十二指腸乳頭部癌肉腫と最終診断された.リンパ節転移は認めず,希望により術後補助療法は施行しなかった.術後4か月に多発肝転移を指摘され,さらに術後6か月で死亡した. |
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ISSN: | 0386-9768 1348-9372 |
DOI: | 10.5833/jjgs.2018.0085 |