小児歯科領域におけるレーザー治療

小児歯科の診療では, 対象が子供であることから, 治療時に恐怖感や痛みを与えない安全な治療が求められる. また迅速な治療が要求されるとともに, 術後の管理がしやすいことも重要である. これら小児歯科特有の条件に対し, 歯科用レーザーの応用は非常に有用である. 現在, 歯髄処置には創傷治癒促進効果をもつHe-Neレーザーが応用されている. 齲蝕予防には炭酸ガスレーザーやNd:YAGレーザーが用いられ, エナメル質への耐酸性付与が確認されている. 口腔軟組織疾患には炭酸ガスレーザーが主に使用され, 術中出血がなく, なおかつ治癒が速やかで術後疼痛がほとんどないという点で効果を挙げている. さらに,...

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Published in日本レーザー医学会誌 Vol. 25; no. 4; pp. 307 - 312
Main Authors 加藤, 純二, 守矢, 佳世子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本レーザー医学会 2005
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ISSN0288-6200
1881-1639
DOI10.2530/jslsm.25.307

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Summary:小児歯科の診療では, 対象が子供であることから, 治療時に恐怖感や痛みを与えない安全な治療が求められる. また迅速な治療が要求されるとともに, 術後の管理がしやすいことも重要である. これら小児歯科特有の条件に対し, 歯科用レーザーの応用は非常に有用である. 現在, 歯髄処置には創傷治癒促進効果をもつHe-Neレーザーが応用されている. 齲蝕予防には炭酸ガスレーザーやNd:YAGレーザーが用いられ, エナメル質への耐酸性付与が確認されている. 口腔軟組織疾患には炭酸ガスレーザーが主に使用され, 術中出血がなく, なおかつ治癒が速やかで術後疼痛がほとんどないという点で効果を挙げている. さらに, 歯の切削にはEr:YAGレーザーが使用され, 痛みのない硬組織切削が可能となっている. これら全てのレーザーは小児に対して質の高い治療を提供している.
ISSN:0288-6200
1881-1639
DOI:10.2530/jslsm.25.307