コロナ禍を通して病院機能を支える看護部の取り組み
2020年2月,新型コロナウイルス感染症(以下COVID-19)のパンデミックが始まった。コロナ禍以前より稼働率60~70% の病院経営に課題があった中,COVID-19のパンデミックにより稼働率6% と病院経営上創立以来最悪の状況に陥った。第1波から未知なるウイルスとの闘いが始まる中,災害モードとしての人員配置を要し,第8波まで幾度も新たなチーム編成が余儀なくされたが,そのたびに奮起し,かけがえのない命を支え続けることができたのは,西部病院看護職員ひとり一人の使命感と,志を一つにした仲間とのチーム力であった。肉体的にも精神的にも大きな打撃を受けつつも,部署運営を率いる看護管理者の細やかなサポ...
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| Published in | 聖マリアンナ医科大学雑誌 Vol. 51; no. Suppl; pp. S219 - S224 |
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| Main Author | |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
学校法人 聖マリアンナ医科大学医学会
2024
聖マリアンナ医科大学医学会 St. Marianna University Society of Medical Science |
| Subjects | |
| Online Access | Get full text |
| ISSN | 0387-2289 2189-0285 |
| DOI | 10.14963/stmari.51.s219 |
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| Summary: | 2020年2月,新型コロナウイルス感染症(以下COVID-19)のパンデミックが始まった。コロナ禍以前より稼働率60~70% の病院経営に課題があった中,COVID-19のパンデミックにより稼働率6% と病院経営上創立以来最悪の状況に陥った。第1波から未知なるウイルスとの闘いが始まる中,災害モードとしての人員配置を要し,第8波まで幾度も新たなチーム編成が余儀なくされたが,そのたびに奮起し,かけがえのない命を支え続けることができたのは,西部病院看護職員ひとり一人の使命感と,志を一つにした仲間とのチーム力であった。肉体的にも精神的にも大きな打撃を受けつつも,部署運営を率いる看護管理者の細やかなサポートが支えとなり立ち向かう姿勢の維持が可能となった。さらに感染対策強化として,緻密な病床管理を行いながら,感染対策と経営改善の2大プロジェクトを立ち上げ,両輪を軸にした看護部運営が始まった。その後3年にわたり地域支援病院としてその機能を発揮し,COVID-19が5類に移行した現在も最大限に病院機能を発揮している。今後,災害時も平時においても,使命感を持ち働き続けるためには,ミッションの認識,ビジョンの明確化,組織風土やチームワークの醸成など,働く意欲を高める要素が欠かせない。現在,西部病院ではこれらを大切に掲げつつ,それぞれの部署で多くの患者を受け入れ,地域貢献,経営貢献に至っている。 |
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| ISSN: | 0387-2289 2189-0285 |
| DOI: | 10.14963/stmari.51.s219 |