迷走神経刺激療法術前の超音波評価
近年, てんかん患者への外科的加療が進歩を遂げ, 焦点切除や脳梁離断などさまざまな手術が行われている. 2010年より, わが国でも難治性てんかんに対する迷走神経刺激療法 (vagus nerve stimulation : VNS) が保険適用とされ, 当科でも積極的に行っている. VNSの治療適応, 効果やメカニズムは本稿では割愛するが, 頸部で左迷走神経を露出し, 刺激装置を巻き付け, 導線を通して電極を左前胸部に植え込む手術である. 術前の左迷走神経の解剖学的評価として, われわれは超音波診断を用いている. 左迷走神経評価のための超音波診断では, 通常の頸部血管エコー検査と同様にリニア...
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Published in | Neurosonology Vol. 30; no. 1; pp. 1 - 3 |
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Main Authors | , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
Kurashiki
一般社団法人日本脳神経超音波学会
01.01.2017
日本脳神経超音波学会 Japan Science and Technology Agency |
Subjects | |
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ISSN | 0917-074X 1884-3336 |
DOI | 10.2301/neurosonology.30.1 |
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Summary: | 近年, てんかん患者への外科的加療が進歩を遂げ, 焦点切除や脳梁離断などさまざまな手術が行われている. 2010年より, わが国でも難治性てんかんに対する迷走神経刺激療法 (vagus nerve stimulation : VNS) が保険適用とされ, 当科でも積極的に行っている. VNSの治療適応, 効果やメカニズムは本稿では割愛するが, 頸部で左迷走神経を露出し, 刺激装置を巻き付け, 導線を通して電極を左前胸部に植え込む手術である. 術前の左迷走神経の解剖学的評価として, われわれは超音波診断を用いている. 左迷走神経評価のための超音波診断では, 通常の頸部血管エコー検査と同様にリニア端子を用い, 左総頸動脈と左内頸静脈の間. 深部背側に左迷走神経が確認される. 実際の手術では, 左胸鎖乳突筋中線に皮膚切開し, 胸鎖乳突筋を内側より剥離する. 頸動脈鞘に到達して左総頸動脈と左内頸静脈の間を剥離すると, その深部に左迷走神経が碓認できる. |
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Bibliography: | ObjectType-Article-1 SourceType-Scholarly Journals-1 ObjectType-Feature-2 content type line 14 |
ISSN: | 0917-074X 1884-3336 |
DOI: | 10.2301/neurosonology.30.1 |