食餌性イレウスで発症した小腸カルチノイド腫瘍の1例

患者は91歳の女性で,他院に肺炎と心不全で入院中に嘔吐を認め当院へ転院となった。腹部CT所見上,右下腹部に涙滴形の高吸収域を認め種子などの異物によるイレウスが疑われ,まずイレウス管を挿入し保存的治療を開始した。その後の腹部CTで異物がバウヒン弁を通過していないため第4病日に開腹術を施行した。終末回腸から40cm口側に腫瘤性病変を認め,その部に梅の種子がはまりこみイレウスを呈していることが判明した。虫垂も硬化萎縮して認められたため,小腸部分切除術および虫垂切除術を施行した。病理組織学的検査所見はどちらもカルチノイドであった。本邦報告の小腸カルチノイド腫瘍において食餌性イレウスの併発はなく初例と考...

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Published inNihon Fukubu Kyukyu Igakkai Zasshi (Journal of Abdominal Emergency Medicine) Vol. 30; no. 4; pp. 563 - 567
Main Authors 木勢, 佳史, 幕内, 博康, 西, 隆之, 伊東, 英輔, 小澤, 壯治, 生越, 喬二, 山近, 大輔, 大谷, 泰雄, 藤平, 威明
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本腹部救急医学会 2010
Japanese Society for Abdominal Emergency Medicine
Subjects
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ISSN1340-2242
1882-4781
DOI10.11231/jaem.30.563

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Summary:患者は91歳の女性で,他院に肺炎と心不全で入院中に嘔吐を認め当院へ転院となった。腹部CT所見上,右下腹部に涙滴形の高吸収域を認め種子などの異物によるイレウスが疑われ,まずイレウス管を挿入し保存的治療を開始した。その後の腹部CTで異物がバウヒン弁を通過していないため第4病日に開腹術を施行した。終末回腸から40cm口側に腫瘤性病変を認め,その部に梅の種子がはまりこみイレウスを呈していることが判明した。虫垂も硬化萎縮して認められたため,小腸部分切除術および虫垂切除術を施行した。病理組織学的検査所見はどちらもカルチノイドであった。本邦報告の小腸カルチノイド腫瘍において食餌性イレウスの併発はなく初例と考えられたため文献的考察を含め報告する。
ISSN:1340-2242
1882-4781
DOI:10.11231/jaem.30.563