呼吸困難をきたした咽喉頭カンジダ症の1例

咽喉頭真菌症は, 局所および全身的な易感染状態を原因として発症する日和見感染症である。 喉頭に真菌症を生じることは少ないが, 嗄声や呼吸困難を呈することがある。 今回われわれは呼吸困難をきたした咽喉頭カンジダ症の1例を経験したため報告する。 症例は41歳男性, 呼吸困難を主訴に受診した。 咽喉頭に白苔があり, 喉頭粘膜の浮腫を認めていた。 入院治療を推奨するも希望せず, 咽頭擦過による真菌学的検査を行い, アムホテリシン B の内服で治療した。 咽喉頭真菌症の多くは予後が良好であるが, 喉頭粘膜の腫脹や肉芽腫形成によって気道狭窄を起こし呼吸困難を生じる可能性がある。 初期治療が奏功しない場合や...

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Published in耳鼻咽喉科展望 Vol. 63; no. 4; pp. 172 - 176
Main Authors 松井, 秀仁, 大平, 真也, 松浦, 賢太郎, 中澤, 宝, 和田, 弘太
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 耳鼻咽喉科展望会 15.08.2020
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ISSN0386-9687
1883-6429
DOI10.11453/orltokyo.63.4_172

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Summary:咽喉頭真菌症は, 局所および全身的な易感染状態を原因として発症する日和見感染症である。 喉頭に真菌症を生じることは少ないが, 嗄声や呼吸困難を呈することがある。 今回われわれは呼吸困難をきたした咽喉頭カンジダ症の1例を経験したため報告する。 症例は41歳男性, 呼吸困難を主訴に受診した。 咽喉頭に白苔があり, 喉頭粘膜の浮腫を認めていた。 入院治療を推奨するも希望せず, 咽頭擦過による真菌学的検査を行い, アムホテリシン B の内服で治療した。 咽喉頭真菌症の多くは予後が良好であるが, 喉頭粘膜の腫脹や肉芽腫形成によって気道狭窄を起こし呼吸困難を生じる可能性がある。 初期治療が奏功しない場合や, 菌種の薬剤感受性によっては抗真菌薬の変更が必要である。
ISSN:0386-9687
1883-6429
DOI:10.11453/orltokyo.63.4_172