尺度翻訳に関する基本指針(<特集>「行動療法研究」における研究報告に関するガイドライン)

患者報告式アウトカム尺度が翻訳されることにより、研究成果の国際比較および国際共同研究が可能となる。翻訳された尺度から得られるデータの質は、その翻訳の正確さに依存する。ISPOR(International Society for Pharmacoeconomics and Outcomes Research)タスクフォースによるガイドラインは、患者報告式アウトカム尺度の翻訳に関する質を担保し、ひいては研究報告の質を高めるうえで有用となる。本稿では、当該ガイドラインに従って、推奨される10の手続き((1)事前準備、(2)順翻訳、(3)調整、(4)逆翻訳、(5)逆翻訳のレビュー、(6)調和、(7)...

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Published in行動療法研究 Vol. 41; no. 2; pp. 117 - 125
Main Author 稲田, 尚子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本認知・行動療法学会 31.05.2015
日本認知・行動療法学会
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ISSN0910-6529
2424-2594
DOI10.24468/jjbt.41.2_117

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Summary:患者報告式アウトカム尺度が翻訳されることにより、研究成果の国際比較および国際共同研究が可能となる。翻訳された尺度から得られるデータの質は、その翻訳の正確さに依存する。ISPOR(International Society for Pharmacoeconomics and Outcomes Research)タスクフォースによるガイドラインは、患者報告式アウトカム尺度の翻訳に関する質を担保し、ひいては研究報告の質を高めるうえで有用となる。本稿では、当該ガイドラインに従って、推奨される10の手続き((1)事前準備、(2)順翻訳、(3)調整、(4)逆翻訳、(5)逆翻訳のレビュー、(6)調和、(7)認知デブリーフィング、(8)認知デブリーフィング結果のレビューと翻訳終了、(9)校正、(10)最終報告)について解説した。また、当該ガイドラインに基づく具体的な記載事例の紹介を行い、尺度翻訳の際の留意事項について考察した。
ISSN:0910-6529
2424-2594
DOI:10.24468/jjbt.41.2_117