感染性心内膜炎における不顕性塞栓のマーカーとしての微小栓子シグナルの有用性:ケースレポート

「緒言」感染性心内膜炎 (infective endocarditis : IE) の診療では全身塞栓症の検出が非常に重要であり, 脳梗塞や碑・腎梗塞などが検索されるが, これら顕性塞栓の背後には多くの不顕性塞栓が存在すると考えられる. 不顕性塞栓の検出に有用と思われる経頭蓋ドプラ (transcranial Doppler : TCD) に関する報告は少なく, 臨床現場での応用も一般的ではない. われわれは, IEの早期診断と手術時期の決定に微小栓子シグナル (microembolic signal : MES) の検出が有用であった1例を経験した. TCDの臨床応用として検討を重ねる価値が...

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Published inNeurosonology Vol. 31; no. 3; pp. 130 - 133
Main Authors 末長, 敏彦, 田口, 智朗, 酒巻, 春日, 田中, 寛大, 月田, 和人, 北川, 孝道, 山中, 治郎, 廣瀬, 正和
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人日本脳神経超音波学会 2018
日本脳神経超音波学会
Subjects
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ISSN0917-074X
DOI10.2301/neurosonology.31.130

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Summary:「緒言」感染性心内膜炎 (infective endocarditis : IE) の診療では全身塞栓症の検出が非常に重要であり, 脳梗塞や碑・腎梗塞などが検索されるが, これら顕性塞栓の背後には多くの不顕性塞栓が存在すると考えられる. 不顕性塞栓の検出に有用と思われる経頭蓋ドプラ (transcranial Doppler : TCD) に関する報告は少なく, 臨床現場での応用も一般的ではない. われわれは, IEの早期診断と手術時期の決定に微小栓子シグナル (microembolic signal : MES) の検出が有用であった1例を経験した. TCDの臨床応用として検討を重ねる価値があると考え, 報告する. 「症例」患者 : 54歳, 男性. 主訴 : 意識障害, 発熱. 既往歴 : X-3年に, 他院で大動脈弁逆流に対して生体弁置換術を受けた. 最近の歯科治療・外科治療歴なし.
ISSN:0917-074X
DOI:10.2301/neurosonology.31.130