手掌の神経エコー検査がスマートフォンによる継続的局所神経圧迫で生じたと考えられた総手掌指神経障害の診断につながった1例

「はじめに」 手のしびれを主訴に脳神経内科や整形外科を受診する患者は多い. 手根管症候群(carpal tunnel syndrome: CTS)・肘部管症候群をはじめとする絞扼性末梢神経障害や, 神経根症・脊髄症など頸椎疾患に由来するものが多く, 神経伝導検査が診断のために第一に行われる. ただし, 手掌や手指における小神経の障害が原因である場合には, ルーチンの神経生理検査で異常を検出することが困難である. 神経エコーは神経の圧迫や絞扼を確認し, 神経損傷の正確な位置を特定するために有用な検査である. またエコー装置の性能向上に伴い, 今まで観察できなかった, より小さな神経の領域まで形態...

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Published inNeurosonology Vol. 36; no. 3; pp. 122 - 125
Main Authors 和泉, 唯信, 山﨑, 博輝, 高松, 直子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人日本脳神経超音波学会 2023
日本脳神経超音波学会
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ISSN0917-074X
DOI10.2301/neurosonology.36.122

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Summary:「はじめに」 手のしびれを主訴に脳神経内科や整形外科を受診する患者は多い. 手根管症候群(carpal tunnel syndrome: CTS)・肘部管症候群をはじめとする絞扼性末梢神経障害や, 神経根症・脊髄症など頸椎疾患に由来するものが多く, 神経伝導検査が診断のために第一に行われる. ただし, 手掌や手指における小神経の障害が原因である場合には, ルーチンの神経生理検査で異常を検出することが困難である. 神経エコーは神経の圧迫や絞扼を確認し, 神経損傷の正確な位置を特定するために有用な検査である. またエコー装置の性能向上に伴い, 今まで観察できなかった, より小さな神経の領域まで形態評価が可能になってきている. 今回われわれは, 手掌の神経エコー検査で手掌内の小神経障害を強く疑ったことが診断に大きく寄与した1例を経験したので報告する. 論文発表に関しては, 患者の同意を得ている.
ISSN:0917-074X
DOI:10.2301/neurosonology.36.122