活動支援のための健康マイレージシステムの開発

高齢者の認知症の一部は運動で改善や予防が期待と報告されている.認知症の対策を日常生活の支障が出てから行うのではなく,早期からモニタリングし対策することが望まれる.そこで本研究では,中高年者の活動度の情報の収集を目的に健康マイレージシステムを開発した.本システムは,参加する対象者にNFC付きの活動量計を配布し,市内26か所に設置した端末から歩数などの活動量,活動範囲の取得を目的に開発した.設置した端末は,駅などの活動拠点,スーパーなどの生活拠点,体育施設やコミュニティセンタなどの娯楽拠点を選定した.スーパーや駅などの利用頻度を中長期的に観察し,歩数などの活動量の変化を指標とすることで認知機能や活...

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Published inTransactions of Japanese Society for Medical and Biological Engineering Vol. 55Annual; no. 4PM-Abstract; p. 371
Main Authors 山田, 憲嗣, 山下, 和彦, 安在, 絵美, 山下, 知子, 太田, 裕治, 佐藤, 満
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本生体医工学会 2017
Japanese Society for Medical and Biological Engineering
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ISSN1347-443X
1881-4379
DOI10.11239/jsmbe.55Annual.371

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Summary:高齢者の認知症の一部は運動で改善や予防が期待と報告されている.認知症の対策を日常生活の支障が出てから行うのではなく,早期からモニタリングし対策することが望まれる.そこで本研究では,中高年者の活動度の情報の収集を目的に健康マイレージシステムを開発した.本システムは,参加する対象者にNFC付きの活動量計を配布し,市内26か所に設置した端末から歩数などの活動量,活動範囲の取得を目的に開発した.設置した端末は,駅などの活動拠点,スーパーなどの生活拠点,体育施設やコミュニティセンタなどの娯楽拠点を選定した.スーパーや駅などの利用頻度を中長期的に観察し,歩数などの活動量の変化を指標とすることで認知機能や活動度の定量的評価が可能となると考えた.対象者は1711人(64.8±11.5歳,40~88歳)である.評価項目として,下肢筋力,体組成,一部の対象者についてはHbA1cなどの血液組成分析,医療経済的分析のために国保医療費を解析した.その結果,歩数は男性の一例では40~64歳群が9212歩/日,65~74歳群が9439歩/日,75歳以上群が8384歩/日であった.下肢筋力はほとんどの群で有意に向上し,体組成について痩せ群はBMIが増加,肥満群はBMIが低下した.腹囲はすべての群で低下した.以上より,本システムを地域の健康づくりに導入した成果が確認された.
ISSN:1347-443X
1881-4379
DOI:10.11239/jsmbe.55Annual.371