絞扼性腸閉塞診断における造影CTの有用性
【背景】絞扼性腸閉塞の本態は消化管の虚血であるため,診断には造影CTが重要である。しかし,どのような所見が有用であるか明らかではない。【方法】術前に造影CTが施行された壊死性絞扼性腸閉塞21例と非壊死性絞扼性腸閉塞33例を対象に造影CT所見を検討した。【結果】70%以上の頻度で認められたものはbeak sign,flower bouquet sign,腸管壁の肥厚,腸間膜混濁であった。beak sign,腸管壁の肥厚,腸間膜混濁は非壊死性に限っても高い頻度で同定された。造影低下は壊死性では52%に同定されたが,非壊死性では6%と発現頻度が低かった。【考察】腸管壊死をきたす前に絞扼性腸閉塞を造影...
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| Published in | Nihon Fukubu Kyukyu Igakkai Zasshi (Journal of Abdominal Emergency Medicine) Vol. 37; no. 4; pp. 581 - 585 |
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| Main Authors | , , , , , , , , , , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
日本腹部救急医学会
2017
Japanese Society for Abdominal Emergency Medicine |
| Subjects | |
| Online Access | Get full text |
| ISSN | 1340-2242 1882-4781 |
| DOI | 10.11231/jaem.37.581 |
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| Summary: | 【背景】絞扼性腸閉塞の本態は消化管の虚血であるため,診断には造影CTが重要である。しかし,どのような所見が有用であるか明らかではない。【方法】術前に造影CTが施行された壊死性絞扼性腸閉塞21例と非壊死性絞扼性腸閉塞33例を対象に造影CT所見を検討した。【結果】70%以上の頻度で認められたものはbeak sign,flower bouquet sign,腸管壁の肥厚,腸間膜混濁であった。beak sign,腸管壁の肥厚,腸間膜混濁は非壊死性に限っても高い頻度で同定された。造影低下は壊死性では52%に同定されたが,非壊死性では6%と発現頻度が低かった。【考察】腸管壊死をきたす前に絞扼性腸閉塞を造影CTで診断するために有用な所見はbeak sign,腸管壁の肥厚,腸間膜混濁であり,造影低下の発現頻度は低いことに注意が必要である。 |
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| ISSN: | 1340-2242 1882-4781 |
| DOI: | 10.11231/jaem.37.581 |