エゼチミブによる急性尿細管間質性腎炎を呈した1例

74歳,女性.心窩部痛を契機に治療を受けたが,改善なく腎機能障害が出現.増悪したため当科を紹介受診した.腎生検を施行し,尿細管間質領域に著明な細胞浸潤を認め,急性尿細管間質性腎炎(acute tubulointerstitial nephritis:ATIN)と診断した.薬剤リンパ球刺激試験(drug-induced lymphocyte stimulation test:DLST)を行い,唯一内服していたエゼチミブによる薬剤性と診断.同薬を中止し,プレドニゾロン30 mgで治療を開始し,徐々に腎機能改善を認めた.本症例はエゼチミブによるATINの本邦初の報告例となる....

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Published in日本内科学会雑誌 Vol. 111; no. 3; pp. 594 - 598
Main Authors 加藤, 里絵, 岩本, 早紀, 平島, 佑太郎, 近藤, 美佳, 上村, 太朗, 岩本, 昂樹, 岡, 英明
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本内科学会 10.03.2022
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ISSN0021-5384
1883-2083
DOI10.2169/naika.111.594

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Summary:74歳,女性.心窩部痛を契機に治療を受けたが,改善なく腎機能障害が出現.増悪したため当科を紹介受診した.腎生検を施行し,尿細管間質領域に著明な細胞浸潤を認め,急性尿細管間質性腎炎(acute tubulointerstitial nephritis:ATIN)と診断した.薬剤リンパ球刺激試験(drug-induced lymphocyte stimulation test:DLST)を行い,唯一内服していたエゼチミブによる薬剤性と診断.同薬を中止し,プレドニゾロン30 mgで治療を開始し,徐々に腎機能改善を認めた.本症例はエゼチミブによるATINの本邦初の報告例となる.
ISSN:0021-5384
1883-2083
DOI:10.2169/naika.111.594