同時性副腎転移を切除し集学的治療により9年生存している肝細胞癌の1例

症例は62歳,男性.2012年11月に肝細胞癌と左腎静脈内腫瘍栓を伴う左副腎転移と診断された.C型肝炎による肝機能障害のため手術は困難と判断し,ソラフェニブを投与した.主腫瘍と腎静脈腫瘍栓には効果を認めたが,副腎腫瘍は増大した.副腎転移巣を浸潤の疑われた周辺臓器とともに切除し,主腫瘍には肝動脈化学塞栓療法,ラジオ波焼灼術などを繰り返し,現在まで9年7カ月生存している.医学中央雑誌で検索しえた中で,主腫瘍非切除副腎転移切除の症例で最長であり報告する....

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 83; no. 11; pp. 2001 - 2009
Main Authors 田村, 浩章, 林, 忠毅, 原田, 岳, 森, 弘樹, 西脇, 由朗, 落合, 秀人, 大菊, 正人
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 2022
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.83.2001

Cover

More Information
Summary:症例は62歳,男性.2012年11月に肝細胞癌と左腎静脈内腫瘍栓を伴う左副腎転移と診断された.C型肝炎による肝機能障害のため手術は困難と判断し,ソラフェニブを投与した.主腫瘍と腎静脈腫瘍栓には効果を認めたが,副腎腫瘍は増大した.副腎転移巣を浸潤の疑われた周辺臓器とともに切除し,主腫瘍には肝動脈化学塞栓療法,ラジオ波焼灼術などを繰り返し,現在まで9年7カ月生存している.医学中央雑誌で検索しえた中で,主腫瘍非切除副腎転移切除の症例で最長であり報告する.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.83.2001