肝移植内科医育成のための現状と課題
2017年1年間で10例以上の肝移植を実施した14施設の外科医と内科医を対象に,国内における肝移植内科医の現状について明らかにすることを目的にアンケートを実施した.回収率は100%であった.施設に対する移植患者は外科に直接紹介されるケースが多く,ドナーの術前評価はほぼ外科が,術後ICU管理は集中治療部が,移植後の胆管狭窄に対する内視鏡的逆行性胆管膵管造影は内科が実施していた.術前評価やレシピエント管理,術後肝生検や外来診察は内科医も行なっていたが,外科医にはあまり認識されていなかった.外科医は内科医に対し移植前管理,術後免疫抑制療法や生活習慣病の管理に関与することを希望し,内科医も同分野への関...
Saved in:
Published in | 肝臓 Vol. 62; no. 12; pp. 785 - 792 |
---|---|
Main Authors | , , , , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本肝臓学会
01.12.2021
|
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0451-4203 1881-3593 |
DOI | 10.2957/kanzo.62.785 |
Cover
Summary: | 2017年1年間で10例以上の肝移植を実施した14施設の外科医と内科医を対象に,国内における肝移植内科医の現状について明らかにすることを目的にアンケートを実施した.回収率は100%であった.施設に対する移植患者は外科に直接紹介されるケースが多く,ドナーの術前評価はほぼ外科が,術後ICU管理は集中治療部が,移植後の胆管狭窄に対する内視鏡的逆行性胆管膵管造影は内科が実施していた.術前評価やレシピエント管理,術後肝生検や外来診察は内科医も行なっていたが,外科医にはあまり認識されていなかった.外科医は内科医に対し移植前管理,術後免疫抑制療法や生活習慣病の管理に関与することを希望し,内科医も同分野への関与を希望していた.今後さらなる内科医の関与を促すためには内科医が移植医療に関与できるような環境作りや教育システムの構築とともに外科医の意識改革も必要であることが明らかとなった. |
---|---|
ISSN: | 0451-4203 1881-3593 |
DOI: | 10.2957/kanzo.62.785 |