ばね指症例におけるPIP関節屈曲拘縮と関節症性変化に関する検討

(目的)ばね指症例においてProximal Interphalangeal(PIP)関節の屈曲拘縮に関与する因子と関節症変化について検討する事である.(対象と方法)2017年4月から2021年3月に当院で腱鞘切開術を行った150例184指(母指を除く)を対象とし,拘縮あり群と拘縮群に分け,患者背景とPIP関節における関節症性変化について評価した.(結果)拘縮あり群は拘縮群と比べ罹病期間が有意に長く,関節症性変化を伴う割合が有意に高かった.その他の評価項目に有意差を認めなかった.また,拘縮あり群において,女性は男性と比べ屈曲拘縮角度が有意に大きかった.(考察)ばね指症例では,罹病期間が長くなるに...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 72; no. 2; pp. 169 - 173
Main Authors 伊藤, 恵理子, 橋本, 哲, 田島, 智徳, 梅木, 駿, 山口, 雄一, 浅見, 昭彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 25.03.2023
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ISSN0037-1033
1349-4333
DOI10.5035/nishiseisai.72.169

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Summary:(目的)ばね指症例においてProximal Interphalangeal(PIP)関節の屈曲拘縮に関与する因子と関節症変化について検討する事である.(対象と方法)2017年4月から2021年3月に当院で腱鞘切開術を行った150例184指(母指を除く)を対象とし,拘縮あり群と拘縮群に分け,患者背景とPIP関節における関節症性変化について評価した.(結果)拘縮あり群は拘縮群と比べ罹病期間が有意に長く,関節症性変化を伴う割合が有意に高かった.その他の評価項目に有意差を認めなかった.また,拘縮あり群において,女性は男性と比べ屈曲拘縮角度が有意に大きかった.(考察)ばね指症例では,罹病期間が長くなるにつれてPIP関節の屈曲拘縮から関節症性変化を来す可能性が示唆された.壮年期の女性では,エストロゲンの減少に伴う滑膜炎の増悪から疼痛が躍起され屈曲拘縮の程度が強くなった可能性がある.そのため,長期罹患した壮年期の女性のばね指症例では早期に治療する必要性が考えられた.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.72.169