50年前のカップ関節形成術後の緩みに対してTHAを行った1例
【症例】78歳 男性.【主訴】右股関節痛,歩行困難.【現病歴】50年前に他院で結核性股関節炎後の右変形性股関節症に対してカップ関節形成術が行われた.退院後は問題なく経過していた.1年前から右股関節痛が出現し,当院へ紹介.受診時,自発痛は無かったが,立ち上がりや歩行時に疼痛を認めた.右股関節の可動域は屈曲50°,外転0°と制限を認め,JOAスコアは44点であった.単純X線像では,カップは内反し,関節裂隙は消失していた.CT像では,カップは内反し,大腿骨頚部へ陥入していた.手術は側臥位,後側方アプローチで行った.カップは容易に抜去できた.寛骨臼の骨欠損は少なく,通常のTHAを施行可能であった.術後...
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Published in | 整形外科と災害外科 Vol. 73; no. 3; pp. 438 - 441 |
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Main Authors | , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
西日本整形・災害外科学会
25.09.2024
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Subjects | |
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ISSN | 0037-1033 1349-4333 |
DOI | 10.5035/nishiseisai.73.438 |
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Summary: | 【症例】78歳 男性.【主訴】右股関節痛,歩行困難.【現病歴】50年前に他院で結核性股関節炎後の右変形性股関節症に対してカップ関節形成術が行われた.退院後は問題なく経過していた.1年前から右股関節痛が出現し,当院へ紹介.受診時,自発痛は無かったが,立ち上がりや歩行時に疼痛を認めた.右股関節の可動域は屈曲50°,外転0°と制限を認め,JOAスコアは44点であった.単純X線像では,カップは内反し,関節裂隙は消失していた.CT像では,カップは内反し,大腿骨頚部へ陥入していた.手術は側臥位,後側方アプローチで行った.カップは容易に抜去できた.寛骨臼の骨欠損は少なく,通常のTHAを施行可能であった.術後疼痛は改善し,術後34日目に杖歩行で退院となった.【考察】カップ関節形成術後,再置換術に移行までの期間は平均15-23年と報告がある.本症例では可動域制限が著明であり,寛骨臼の変性が少なかったためTHAへの移行期間が長かったと考えられた. |
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ISSN: | 0037-1033 1349-4333 |
DOI: | 10.5035/nishiseisai.73.438 |