GEM+nab-PTX療法により病理学的完全奏効を得た局所進行膵癌の1例
症例は60歳,女性.広範囲門脈浸潤を伴う局所進行切除可能境界膵癌であったが門脈再建困難とされ,gemcitabine+nab-paclitaxel療法12コースおよびgemcitabine療法23コースが施行された.治療開始後,早期に腫瘍マーカーは正常化し,原発巣の著明な縮小が認められた.以後,原発巣は不明瞭化し,腫瘍マーカーは正常範囲内を長期間維持したため,根治手術として亜全胃温存膵頭十二指腸切除術を施行した.病理組織像は広範囲に線維化が認められ,腫瘍細胞は認められず,病理学的完全奏効と判定された.術後,S-1単剤による補助化学療法を6カ月間施行し,術後8カ月経過し無再発生存中である....
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| Published in | 日本臨床外科学会雑誌 Vol. 82; no. 12; pp. 2283 - 2287 |
|---|---|
| Main Authors | , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
日本臨床外科学会
2021
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| Subjects | |
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| ISSN | 1345-2843 1882-5133 |
| DOI | 10.3919/jjsa.82.2283 |
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| Summary: | 症例は60歳,女性.広範囲門脈浸潤を伴う局所進行切除可能境界膵癌であったが門脈再建困難とされ,gemcitabine+nab-paclitaxel療法12コースおよびgemcitabine療法23コースが施行された.治療開始後,早期に腫瘍マーカーは正常化し,原発巣の著明な縮小が認められた.以後,原発巣は不明瞭化し,腫瘍マーカーは正常範囲内を長期間維持したため,根治手術として亜全胃温存膵頭十二指腸切除術を施行した.病理組織像は広範囲に線維化が認められ,腫瘍細胞は認められず,病理学的完全奏効と判定された.術後,S-1単剤による補助化学療法を6カ月間施行し,術後8カ月経過し無再発生存中である. |
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| ISSN: | 1345-2843 1882-5133 |
| DOI: | 10.3919/jjsa.82.2283 |