出血性十二指腸潰瘍を契機に診断されたツツガムシ病の1例

出血性十二指腸多発潰瘍にて入院となった,86歳,男性.入院後発熱,肝障害,意識障害が出現した.経過中にダニの刺し口を疑う痂皮を認めミノサイクリンを投与し,以後全身状態は速やかに改善した.後日血清学的にツツガムシ病と診断した.病原体のリケッチアは細血管内皮細胞で増殖し様々な臓器障害を来すが,十二指腸潰瘍の報告例は極めて稀である.本例の潰瘍はその特徴から微小循環障害が原因と思われ,ツツガムシ病による臓器障害の可能性が高い....

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Published in日本内科学会雑誌 Vol. 97; no. 8; pp. 1873 - 1875
Main Authors 一二三, 倫郎, 吉永, 秀哉, 階子, 俊平, 北田, 英貴, 中村, 太造, 長岡, 克弥, 肱岡, 範, 竹熊, 与志, 川口, 哲
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本内科学会 2008
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ISSN0021-5384
1883-2083
DOI10.2169/naika.97.1873

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Summary:出血性十二指腸多発潰瘍にて入院となった,86歳,男性.入院後発熱,肝障害,意識障害が出現した.経過中にダニの刺し口を疑う痂皮を認めミノサイクリンを投与し,以後全身状態は速やかに改善した.後日血清学的にツツガムシ病と診断した.病原体のリケッチアは細血管内皮細胞で増殖し様々な臓器障害を来すが,十二指腸潰瘍の報告例は極めて稀である.本例の潰瘍はその特徴から微小循環障害が原因と思われ,ツツガムシ病による臓器障害の可能性が高い.
ISSN:0021-5384
1883-2083
DOI:10.2169/naika.97.1873