連合型心筋保護法にMicroplegiaを併用した新しい心筋保護法の検討

要旨連合型心筋保護法(Integrated Myocardial Management:IMM)にMicroplegiaを併用した開心術症例について、従来の心筋保護法を実施した症例と比較検討し、報告する。対象は2006年9月から2007年5月までの成人開心術症例のうち、IMMのみ行った15例(I群)とIMMにMicroplegiaを併用した15例(M群)とした。その結果、ICU帰室後CPK-MB値、心肺血K値(max)などでそれぞれ統計学的有意差は認められなかった。しかし、cold blood灌流時に心室細動が発生し、それに対し心筋保護液が過剰投与されることによるoverdoseを懸念し、最低...

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Published in体外循環技術 Vol. 35; no. 2; pp. 138 - 141
Main Authors 那須, 敏裕, 根本, 貴史, 古川, 博一, 千葉, 二三夫, 菅原, 誠一, 渡部, 悟
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本体外循環技術医学会 2008
日本体外循環技術医学会
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ISSN0912-2664
1884-5452
DOI10.7130/hokkaidoshakai.35.138

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Summary:要旨連合型心筋保護法(Integrated Myocardial Management:IMM)にMicroplegiaを併用した開心術症例について、従来の心筋保護法を実施した症例と比較検討し、報告する。対象は2006年9月から2007年5月までの成人開心術症例のうち、IMMのみ行った15例(I群)とIMMにMicroplegiaを併用した15例(M群)とした。その結果、ICU帰室後CPK-MB値、心肺血K値(max)などでそれぞれ統計学的有意差は認められなかった。しかし、cold blood灌流時に心室細動が発生し、それに対し心筋保護液が過剰投与されることによるoverdoseを懸念し、最低限のカリウム濃度で灌流中に弛緩性心停止を維持できるMicroplegiaを併用する必要があった。そのため、MPSを使用しIMMにcold bloodにカリウムを添加して灌流するMicroplegiaを併用した心筋保護法は、血液灌流時に6~8mEq/Lのカリウム濃度を維持することが可能であることにより、確実な心停止が得られる方法として有用であると考えられた。
ISSN:0912-2664
1884-5452
DOI:10.7130/hokkaidoshakai.35.138