3.人工知能を用いた前向き研究:UTSSI スポーツ損傷予防プロジェクト

「●はじめに」 スポーツを行う上で外傷・障害の発生を避けて通ることはできない. サッカーの欧州プロフェッショナルリーグにおいては1シーズンに約50%の選手がなんらかの外傷・障害を経験すると報告されている. 一度, 受傷してしまうと, 治療やリハビリテーションを要し, 競技復帰までに半年以上を要することもしばしばある上, 手術を要するような外傷では一定の割合で復帰できないことも報告されており, 予防が非常に重要になる. スポーツ外傷の発症には, 選手自身が持っている内的リスク因子や環境などの外的リスク因子に加えて, 受傷イベントという多因子が関わっている. 本邦では, スポーツ外傷・障害を起こし...

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Published inJapanese Journal of Clinical Sports Medicine Vol. 31; no. 3; pp. 430 - 433
Main Authors 河野, 賢一, 村上, 亮, 荒川, 嵩大, 緒方, 徹, 武冨, 修治, 鹿毛, 智文, 藤原, 清香, 川口, 航平, 水谷, 有里, 武井, 聖良, 山神, 良太, 田中, 栄
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本臨床スポーツ医学会 31.08.2023
日本臨床スポーツ医学会
Japanese Society of Clinical Sports Medicine
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ISSN1346-4159
2758-3767
DOI10.57474/jjcsm.31.3_430

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Summary:「●はじめに」 スポーツを行う上で外傷・障害の発生を避けて通ることはできない. サッカーの欧州プロフェッショナルリーグにおいては1シーズンに約50%の選手がなんらかの外傷・障害を経験すると報告されている. 一度, 受傷してしまうと, 治療やリハビリテーションを要し, 競技復帰までに半年以上を要することもしばしばある上, 手術を要するような外傷では一定の割合で復帰できないことも報告されており, 予防が非常に重要になる. スポーツ外傷の発症には, 選手自身が持っている内的リスク因子や環境などの外的リスク因子に加えて, 受傷イベントという多因子が関わっている. 本邦では, スポーツ外傷・障害を起こした選手の身体的特徴を解析し, 怪我のリスク因子を解析する後ろ向き研究が多く行われている. 後ろ向き研究では病院を受診した選手や手術を行った選手のみにアプローチすればよいので, 実施は比較的容易である一方, 選手が怪我をする前に有していたリスク因子や外傷時や受傷前の動態を把握することは困難であり, 得られた身体的特徴が怪我のリスクを示しているのか怪我の結果を示しているのかは区別できないという大きな欠点がある.
ISSN:1346-4159
2758-3767
DOI:10.57474/jjcsm.31.3_430