ロボット支援下に同時切除した気管支原生嚢胞と肺葉外肺分画症の1例

先天異常である気管支原生嚢胞と肺分画症の併存は稀な病態であり,ロボット支援下の同時切除術の報告は少ない.症例は15歳,女性,健診で胸部異常陰影を指摘された.胸部CTおよびMRIで後縦隔に境界明瞭,内部均一な嚢胞性腫瘤を認めた.造影CTで後縦隔腫瘤の尾側に接する無気肺様構造物に胸部下行大動脈より流入する異常動脈を認めたため,肺分画症の合併と診断した.後縦隔腫瘍および肺分画症に対してロボット支援下に同時切除術を施行した.先に後縦隔腫瘍を摘出し,分画症肺に関してはその基部で大動脈からの異常血管を含む索状物を一括して自動縫合器で切離して摘出した.術後経過は良好で,術後第3病日に退院した.後縦隔嚢胞性腫...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 84; no. 9; pp. 1417 - 1423
Main Authors 日暮, 亮太, 伊藤, 祥隆, 都島, 由紀雄
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 2023
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.84.1417

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Summary:先天異常である気管支原生嚢胞と肺分画症の併存は稀な病態であり,ロボット支援下の同時切除術の報告は少ない.症例は15歳,女性,健診で胸部異常陰影を指摘された.胸部CTおよびMRIで後縦隔に境界明瞭,内部均一な嚢胞性腫瘤を認めた.造影CTで後縦隔腫瘤の尾側に接する無気肺様構造物に胸部下行大動脈より流入する異常動脈を認めたため,肺分画症の合併と診断した.後縦隔腫瘍および肺分画症に対してロボット支援下に同時切除術を施行した.先に後縦隔腫瘍を摘出し,分画症肺に関してはその基部で大動脈からの異常血管を含む索状物を一括して自動縫合器で切離して摘出した.術後経過は良好で,術後第3病日に退院した.後縦隔嚢胞性腫瘤の病理診断結果は気管支原生嚢胞であった.気管支原生嚢胞と肺葉外肺分画症が併存した症例に対してロボット支援下に同時切除した1例を経験したので,文献的考察を含めて報告する.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.84.1417