プロテアーゼ検出キットを用いた歯周病の評価法と食事療法の検討

歯周病はイヌやネコで高頻度にみられる口腔内疾患である。ヒトではジンジバリス菌を中心とした歯周病菌がその病因に関わっており、イヌやネコでもヒトと同様の歯周病菌が関与している可能性がある。本研究では歯周病菌を半定量的に評価する医療用のプロテアーゼ検出半定量キットをイヌとネコに応用し、さらに菌種特異的なプライマーを用いたPCR法による歯周病菌の検出と口腔内を視覚的に評価しスコア化を行なった。その結果、イヌでキットによる評価と視覚的な歯周病スコアの間に相関がみられ、イヌにおいてキットによる客観的な歯周病の評価が可能であると考えられた。またネコでもキットにより口腔内のプロテアーゼを検出することができた。...

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Bibliographic Details
Published inペット栄養学会誌 Vol. 18; no. 2; pp. 86 - 92
Main Authors 桃井, 康行, 片野田, 祐介
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本ペット栄養学会 2015
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ISSN1344-3763
2185-7601
DOI10.11266/jpan.18.2_86

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Summary:歯周病はイヌやネコで高頻度にみられる口腔内疾患である。ヒトではジンジバリス菌を中心とした歯周病菌がその病因に関わっており、イヌやネコでもヒトと同様の歯周病菌が関与している可能性がある。本研究では歯周病菌を半定量的に評価する医療用のプロテアーゼ検出半定量キットをイヌとネコに応用し、さらに菌種特異的なプライマーを用いたPCR法による歯周病菌の検出と口腔内を視覚的に評価しスコア化を行なった。その結果、イヌでキットによる評価と視覚的な歯周病スコアの間に相関がみられ、イヌにおいてキットによる客観的な歯周病の評価が可能であると考えられた。またネコでもキットにより口腔内のプロテアーゼを検出することができた。次に歯周病の予防・改善効果が期待されるラクトフェリンなどを含むサプリメントの効果について検討した。8頭のイヌに1日2回、1週間サプリメントの給与を行なったところ、簡易検査キット、PCR法、視覚的口腔内スコアのいずれでも改善がみられる例があったがサプリメントによる改善に有意な差は認められなかった。本研究では、医療用のプロテアーゼ検出キットが イヌの歯周病の病態評価に利用できる可能性が示唆された。
ISSN:1344-3763
2185-7601
DOI:10.11266/jpan.18.2_86