高度の冠動脈疾患を有する患者の大腸内視鏡的粘膜下層剝離術後のS状結腸穿孔に対し,腹腔鏡下ハルトマン手術を施行した1例

患者は77歳,女性。S状結腸に大腸腫瘍を認め大腸内視鏡的粘膜下層剝離術(大腸endoscopic submucosal dissection:以下,大腸ESD)を施行された。ESD後2日目に腹痛を認め,CTでS状結腸周囲のフリーエアーと骨盤内に中等量の腹水の貯留を認めたため,当科コンサルトとなった。大腸ESDによるS状結腸穿孔および急性汎発性腹膜炎と診断し,緊急手術が必要な病態であった。高度な冠動脈疾患が併存しており,創部を最小限にするために腹腔鏡下ハルトマン手術を施行した。術後合併症なく経過し,術前のactivities of daily livingを保ち退院となった。...

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Published in日本腹部救急医学会雑誌 Vol. 43; no. 3; pp. 655 - 658
Main Authors 瀨尾, 雄樹, 杉浦, 清昭, 西, 雄介, 岸田, 憲弘, 原, 裕明, 岡田, 純一, 戸倉, 英之, 清水, 和彦, 高橋, 孝行
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本腹部救急医学会 31.03.2023
Subjects
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ISSN1340-2242
1882-4781
DOI10.11231/jaem.43.655

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Summary:患者は77歳,女性。S状結腸に大腸腫瘍を認め大腸内視鏡的粘膜下層剝離術(大腸endoscopic submucosal dissection:以下,大腸ESD)を施行された。ESD後2日目に腹痛を認め,CTでS状結腸周囲のフリーエアーと骨盤内に中等量の腹水の貯留を認めたため,当科コンサルトとなった。大腸ESDによるS状結腸穿孔および急性汎発性腹膜炎と診断し,緊急手術が必要な病態であった。高度な冠動脈疾患が併存しており,創部を最小限にするために腹腔鏡下ハルトマン手術を施行した。術後合併症なく経過し,術前のactivities of daily livingを保ち退院となった。
ISSN:1340-2242
1882-4781
DOI:10.11231/jaem.43.655