出血性十二指腸穿孔を来した長期留置下大静脈フィルター摘出の一例
26歳男性.8年前精巣腫瘍,下大静脈(IVC)腫瘍塞栓に対し左高位精巣腫瘍摘出術,回収型IVCフィルター留置された.7年前に後腹膜リンパ節転移に対し後腹膜リンパ節郭清術施行され,その後化学療法による腎障害のため透析導入になった.今回,黒色便,貧血進行の精査のため上部消化管内視鏡検査施行し,十二指腸内のIVCフィルター脚の突出が確認され当院へ紹介となった.消化器外科医協力のもと消化管の剝離を行い,下大静脈から十二指腸へ穿孔している脚を剝離したIVCと十二指腸の間で切断し,十二指腸内の脚先端を抜去したのち十二指腸の損傷部位を修復.経静脈的にIVCフィルター回収キットを挿入してフィルター抜去に成功し...
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| Published in | 日本血管外科学会雑誌 Vol. 31; no. 1; pp. 15 - 19 |
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| Main Authors | , , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
特定非営利活動法人 日本血管外科学会
10.02.2022
日本血管外科学会 |
| Subjects | |
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| ISSN | 0918-6778 1881-767X |
| DOI | 10.11401/jsvs.21-00077 |
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| Summary: | 26歳男性.8年前精巣腫瘍,下大静脈(IVC)腫瘍塞栓に対し左高位精巣腫瘍摘出術,回収型IVCフィルター留置された.7年前に後腹膜リンパ節転移に対し後腹膜リンパ節郭清術施行され,その後化学療法による腎障害のため透析導入になった.今回,黒色便,貧血進行の精査のため上部消化管内視鏡検査施行し,十二指腸内のIVCフィルター脚の突出が確認され当院へ紹介となった.消化器外科医協力のもと消化管の剝離を行い,下大静脈から十二指腸へ穿孔している脚を剝離したIVCと十二指腸の間で切断し,十二指腸内の脚先端を抜去したのち十二指腸の損傷部位を修復.経静脈的にIVCフィルター回収キットを挿入してフィルター抜去に成功した.本例は,開腹によるフィルター穿孔部除去と経静脈的なフィルター抜去を併用し抜去に成功した稀な症例と考えられ報告した. |
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| ISSN: | 0918-6778 1881-767X |
| DOI: | 10.11401/jsvs.21-00077 |