血友病A患者に発症した急性胆囊炎に対して経皮経肝胆囊ドレナージ後に手術を施行した1例
症例は73歳男性。30歳時に血友病Aと診断され,定期的に第Ⅷ因子製剤を補充されていた。今回右季肋部痛が出現し,胆石性胆囊炎の診断で当院紹介入院。画像検査所見で胆囊頸部に嵌頓した結石を認めた。第Ⅷ因子製剤の投与と抗生剤加療を行い,経皮経肝胆囊ドレナージ(percutaneous transhepatic gallbladder drainage:以下,PTGBD)を施行した。ドレナージ後症状および炎症所見は軽快したが,30日後に出血性胆囊炎をきたしたため,開腹胆囊摘出術を施行した。第Ⅷ因子製剤の補充を行い,周術期の経過は良好で自宅退院となった。今回われわれは血友病Aに合併した胆囊炎に対して第Ⅷ因...
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Published in | 日本腹部救急医学会雑誌 Vol. 41; no. 3; pp. 141 - 144 |
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Main Authors | , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本腹部救急医学会
31.03.2021
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Subjects | |
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ISSN | 1340-2242 1882-4781 |
DOI | 10.11231/jaem.41.3_141 |
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Summary: | 症例は73歳男性。30歳時に血友病Aと診断され,定期的に第Ⅷ因子製剤を補充されていた。今回右季肋部痛が出現し,胆石性胆囊炎の診断で当院紹介入院。画像検査所見で胆囊頸部に嵌頓した結石を認めた。第Ⅷ因子製剤の投与と抗生剤加療を行い,経皮経肝胆囊ドレナージ(percutaneous transhepatic gallbladder drainage:以下,PTGBD)を施行した。ドレナージ後症状および炎症所見は軽快したが,30日後に出血性胆囊炎をきたしたため,開腹胆囊摘出術を施行した。第Ⅷ因子製剤の補充を行い,周術期の経過は良好で自宅退院となった。今回われわれは血友病Aに合併した胆囊炎に対して第Ⅷ因子製剤を使用し,PTGBD後に胆囊摘出術を施行したまれな1例を経験したので報告する。 |
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ISSN: | 1340-2242 1882-4781 |
DOI: | 10.11231/jaem.41.3_141 |