両下肢浮腫を主訴に来院した後腹膜真性血液囊腫の1 例
要約:症例は79 歳の男性で,2012 年3 月頃より,両下肢の浮腫を自覚.徐々に浮腫が増悪するようになり,前医受診.腹部CT にて下大静脈を圧排する後腹膜囊胞性腫瘤を指摘され,当科紹介受診.10 月に手術目的に入院した.腹部CT では,腹部大動脈と下大静脈の間に挟まれるように腎下部下大静脈を左方より圧排する長径56 mm の囊胞性腫瘤を認めた.2012 年10 月,経腹的に囊腫摘出術を施行した.摘出標本の重量は100 g,最大径6.4 cmで,囊腫壁は薄く,内容液は淡黄色,漿液性であった.病理組織学的検査所見では囊胞壁,内容液に悪性所見はなかった.抗平滑筋抗体陽性,CD31 染色検査にて内皮...
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          | Published in | 静脈学 Vol. 25; no. 1; pp. 53 - 58 | 
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| Main Authors | , , , , , , , , , , | 
| Format | Journal Article | 
| Language | Japanese | 
| Published | 
            日本静脈学会
    
        2014
     | 
| Subjects | |
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| ISSN | 0915-7395 2186-5523  | 
| DOI | 10.7134/phlebol.13-13 | 
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| Summary: | 要約:症例は79 歳の男性で,2012 年3 月頃より,両下肢の浮腫を自覚.徐々に浮腫が増悪するようになり,前医受診.腹部CT にて下大静脈を圧排する後腹膜囊胞性腫瘤を指摘され,当科紹介受診.10 月に手術目的に入院した.腹部CT では,腹部大動脈と下大静脈の間に挟まれるように腎下部下大静脈を左方より圧排する長径56 mm の囊胞性腫瘤を認めた.2012 年10 月,経腹的に囊腫摘出術を施行した.摘出標本の重量は100 g,最大径6.4 cmで,囊腫壁は薄く,内容液は淡黄色,漿液性であった.病理組織学的検査所見では囊胞壁,内容液に悪性所見はなかった.抗平滑筋抗体陽性,CD31 染色検査にて内皮細胞を認め,D2-40 でリンパ系を否定し,静脈由来の真性血液囊腫と診断した.術後17 病日に軽快退院し,再発は認めない.静脈由来の後腹膜囊腫はまれであり,報告する. | 
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| ISSN: | 0915-7395 2186-5523  | 
| DOI: | 10.7134/phlebol.13-13 |