上腕動脈に発生した非外傷性の成因が強く疑われる仮性動脈瘤の1例

要  旨:上肢に発生する動脈瘤のほとんどが仮性動脈瘤であり,その成因としては外傷性が多いとされている.今回われわれは非外傷性の成因が強く疑われる上腕動脈仮性動脈瘤の1例を経験したので報告する.症例は46歳,男性.右上腕部の腫瘤を自覚し,超音波検査で上腕中央部に最大径40 mmの上腕動脈瘤を認め,瘤内には血栓が充満していた.手術は動脈瘤切除および自家静脈による置換術を施行し,病理組織学的検査で仮性動脈瘤と診断した.上肢に発生する動脈瘤の多くが外傷性の仮性動脈瘤である.治療としては動脈瘤切除が行われるが,症例に応じて血行再建術を考慮する必要がある....

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Published in日本血管外科学会雑誌 Vol. 22; no. 4; pp. 729 - 731
Main Authors 地引, 政利, 猪狩, 公宏, 豊福, 崇浩, 井上, 芳徳, 工藤, 敏文
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本血管外科学会 25.06.2013
日本血管外科学会
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ISSN0918-6778
1881-767X
DOI10.11401/jsvs.12-00063

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Summary:要  旨:上肢に発生する動脈瘤のほとんどが仮性動脈瘤であり,その成因としては外傷性が多いとされている.今回われわれは非外傷性の成因が強く疑われる上腕動脈仮性動脈瘤の1例を経験したので報告する.症例は46歳,男性.右上腕部の腫瘤を自覚し,超音波検査で上腕中央部に最大径40 mmの上腕動脈瘤を認め,瘤内には血栓が充満していた.手術は動脈瘤切除および自家静脈による置換術を施行し,病理組織学的検査で仮性動脈瘤と診断した.上肢に発生する動脈瘤の多くが外傷性の仮性動脈瘤である.治療としては動脈瘤切除が行われるが,症例に応じて血行再建術を考慮する必要がある.
ISSN:0918-6778
1881-767X
DOI:10.11401/jsvs.12-00063