四肢の静脈奇形に対するフォーム硬化療法の経験
四肢の静脈奇形患者に対してフォーム硬化療法を施行した28 例(平均年齢43 歳)の治療成績を検討した.硬化剤は0.5~3.0%ポリドカノールを硬化剤:空気=1:5 で混合し,最大10 ml 注入した.治療後は弾性ストッキングあるいはスリーブにて下肢で3 週間,上肢で1 週間圧迫した.対象疾患は静脈奇形19 例(上肢7 例,下肢12 例),Klippel-Trenaunay 症候群9 例であった.硬化療法は計92 回,平均3.3回施行し,硬化剤の濃度は0.5%が19 回,1%が39 回,3%が34 回で,フォーム硬化剤の平均投与量は8.6 ml (2~10 ml)であった.治療効果は,完全に硬化...
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| Published in | 静脈学 Vol. 27; no. 3; pp. 317 - 322 |
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| Main Authors | , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
日本静脈学会
2016
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| Subjects | |
| Online Access | Get full text |
| ISSN | 0915-7395 2186-5523 |
| DOI | 10.7134/phlebol.16-07 |
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| Summary: | 四肢の静脈奇形患者に対してフォーム硬化療法を施行した28 例(平均年齢43 歳)の治療成績を検討した.硬化剤は0.5~3.0%ポリドカノールを硬化剤:空気=1:5 で混合し,最大10 ml 注入した.治療後は弾性ストッキングあるいはスリーブにて下肢で3 週間,上肢で1 週間圧迫した.対象疾患は静脈奇形19 例(上肢7 例,下肢12 例),Klippel-Trenaunay 症候群9 例であった.硬化療法は計92 回,平均3.3回施行し,硬化剤の濃度は0.5%が19 回,1%が39 回,3%が34 回で,フォーム硬化剤の平均投与量は8.6 ml (2~10 ml)であった.治療効果は,完全に硬化された症例(good)が10 例(36%),硬化されたが残存する症例(fair)が12 例(43%),硬化が不十分(poor)が6 例(21%)であった.大きな合併症はなく,血栓性静脈炎を1 例に認めた.ポリドカノールによるフォーム硬化療法は四肢の静脈奇形に対して安全で有効な治療であった. |
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| ISSN: | 0915-7395 2186-5523 |
| DOI: | 10.7134/phlebol.16-07 |