ヘルニア修復と回腸導管の減圧,腹腔内ドレナージにより軽快した回腸導管傍ストーマヘルニア嵌頓による部位不明回腸導管穿孔の1例
回腸導管傍ストーマヘルニアは膀胱全摘および回腸導管造設後の合併症の1つであるが,嵌頓に伴う回腸導管穿孔の報告例はない。回腸導管傍ストーマヘルニア嵌頓に対する外科的治療中に,漏出部位不明の回腸導管穿孔に対して保存的加療で軽快した症例を呈示する。症例は56歳男性で,血尿と腹痛を認め当院へ搬送された。回腸導管傍ストーマヘルニア嵌頓と診断し,緊急手術を施行した。嵌頓腸管に異常はなかったが,回腸導管に留置したFoley catheterより注入したインジゴカルミンの腹腔内への漏出を認めた。副損傷を危惧しドレーン留置のみで,筋膜を縫合閉鎖し手術を終了した。術後に尿量低下と排液の増加を認めたため単純CT検査...
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| Published in | 日本腹部救急医学会雑誌 Vol. 42; no. 6; pp. 671 - 674 |
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| Main Authors | , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
日本腹部救急医学会
30.09.2022
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| Subjects | |
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| ISSN | 1340-2242 1882-4781 |
| DOI | 10.11231/jaem.42.671 |
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| Summary: | 回腸導管傍ストーマヘルニアは膀胱全摘および回腸導管造設後の合併症の1つであるが,嵌頓に伴う回腸導管穿孔の報告例はない。回腸導管傍ストーマヘルニア嵌頓に対する外科的治療中に,漏出部位不明の回腸導管穿孔に対して保存的加療で軽快した症例を呈示する。症例は56歳男性で,血尿と腹痛を認め当院へ搬送された。回腸導管傍ストーマヘルニア嵌頓と診断し,緊急手術を施行した。嵌頓腸管に異常はなかったが,回腸導管に留置したFoley catheterより注入したインジゴカルミンの腹腔内への漏出を認めた。副損傷を危惧しドレーン留置のみで,筋膜を縫合閉鎖し手術を終了した。術後に尿量低下と排液の増加を認めたため単純CT検査を施行したところ回腸導管からの(術前に使用した)造影剤の漏出を認めた。減圧目的に回腸導管にネラトンカテーテルを留置したところ尿量の回復と排液の減少を認めた。ドレーンを術後7日目に抜去し,同日退院した。 |
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| ISSN: | 1340-2242 1882-4781 |
| DOI: | 10.11231/jaem.42.671 |