残存する第1指の神経障害性疼痛に対して尺骨神経パルス高周波法で良好な鎮痛を得られた1例
29歳男性.採石器に左手を挟まれて当院に搬送された.第1指は末節骨骨折,第2指~第5指は高度に挫滅していた.中手指節関節を断端として切除し,大腿遊離皮弁にて被覆した.術後内服で疼痛コントロールが不良であり当科紹介となった.内服調節,星状神経節ブロックを行ったが疼痛コントロールは不良であった.正中神経ブロックを施行し,第2指~第4指の皮弁接合部の痛みが改善したため正中神経パルス高周波法を行い第2指~第4指の皮弁接合部の痛みは軽快したが第1指の痛みは残存した.橈骨神経の関与を考えて橈骨神経ブロックを行い疼痛範囲は縮小したが,第1指尺側に強い痛みが残存した.尺骨神経の関与を考えて尺骨神経ブロックを行...
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Published in | 日本ペインクリニック学会誌 Vol. 30; no. 7; pp. 169 - 173 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本ペインクリニック学会
25.07.2023
日本ペインクリニック学会 |
Subjects | |
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ISSN | 1340-4903 1884-1791 |
DOI | 10.11321/jjspc.22-0063 |
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Summary: | 29歳男性.採石器に左手を挟まれて当院に搬送された.第1指は末節骨骨折,第2指~第5指は高度に挫滅していた.中手指節関節を断端として切除し,大腿遊離皮弁にて被覆した.術後内服で疼痛コントロールが不良であり当科紹介となった.内服調節,星状神経節ブロックを行ったが疼痛コントロールは不良であった.正中神経ブロックを施行し,第2指~第4指の皮弁接合部の痛みが改善したため正中神経パルス高周波法を行い第2指~第4指の皮弁接合部の痛みは軽快したが第1指の痛みは残存した.橈骨神経の関与を考えて橈骨神経ブロックを行い疼痛範囲は縮小したが,第1指尺側に強い痛みが残存した.尺骨神経の関与を考えて尺骨神経ブロックを行ったところ有効であったため,尺骨神経パルス高周波法を追加で施行し疼痛コントロールが得られた.断端形成後の残存する痛みに対しては神経の分布や多様性も考慮してテストブロックを行い評価していくことが重要と考えられた. |
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ISSN: | 1340-4903 1884-1791 |
DOI: | 10.11321/jjspc.22-0063 |