腹腔鏡手術と経会陰アプローチで修復した続発性会陰ヘルニアの1例

症例は73歳の女性で,4年4カ月前に直腸癌に対して腹腔鏡下腹会陰式直腸切断術を施行し,外来で定期的に経過観察を行っていた.術後数カ月経過してから会陰部の膨隆に気が付いたが,様子をみていた.徐々に症状が増悪したため手術加療を希望した.会陰部は手術創を中心に柔らかく膨隆していた.CTで会陰部より皮下に突出する大量の小腸を認め,続発性会陰ヘルニアと診断した.全身麻酔下に腹腔鏡下会陰ヘルニア修復術を施行した.小腸を挙上すると,骨盤底筋群の高さに8×5cmのヘルニア門を認めた.癒着防止シート付きのポリプロピレンメッシュを用いてヘルニア門を閉鎖し,非吸収糸と非吸収性のタッカーを用いて骨盤底に固定した.さら...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 82; no. 3; pp. 652 - 657
Main Authors 竹下, 雅樹, 佐々木, 省三, 中山, 啓, 吉川, 朱実, 庄司, 泰弘, 藤村, 隆
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 2021
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.82.652

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Summary:症例は73歳の女性で,4年4カ月前に直腸癌に対して腹腔鏡下腹会陰式直腸切断術を施行し,外来で定期的に経過観察を行っていた.術後数カ月経過してから会陰部の膨隆に気が付いたが,様子をみていた.徐々に症状が増悪したため手術加療を希望した.会陰部は手術創を中心に柔らかく膨隆していた.CTで会陰部より皮下に突出する大量の小腸を認め,続発性会陰ヘルニアと診断した.全身麻酔下に腹腔鏡下会陰ヘルニア修復術を施行した.小腸を挙上すると,骨盤底筋群の高さに8×5cmのヘルニア門を認めた.癒着防止シート付きのポリプロピレンメッシュを用いてヘルニア門を閉鎖し,非吸収糸と非吸収性のタッカーを用いて骨盤底に固定した.さらに,会陰部の手術創を切開し,経会陰的にメッシュを追加で縫合固定した.術後1年10カ月経過したが,ヘルニアの再発は認めていない.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.82.652