末梢神経ブロックと運動療法の併用と心理社会的なサポートが有効であった小児複合性局所疼痛症候群の1例

小児の複合性局所疼痛症候群(CRPS)に対して末梢神経ブロックを施行し,症状改善を認めた症例を経験したため今回報告する.症例は13歳,女性.転倒による右足関節の捻挫に対し,近医でギプス固定を受けた.その後3カ月間受診せず,両松葉杖での免荷歩行をしていた.ギプス脱後,再度3カ月間受診をせず,右足部の腫脹,痛み,運動障害を認めたため,総合病院整形外科を受診し,CRPSと診断された.入院のうえ加療するも痛みによりリハビリテーション困難となり,当院ペインクリニック科に紹介となった.持続硬膜外麻酔を施行するも,リハビリ中の体動による抜去を繰り返したため,持続坐骨神経ブロック,大伏在神経ブロックを併用し,...

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Published in日本ペインクリニック学会誌 Vol. 24; no. 1; pp. 47 - 50
Main Authors 駒澤, 伸泰, 城戸, 晴規, 宮崎, 有, 藤原, 俊介, 兵田, 暁, 南, 敏明
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本ペインクリニック学会 25.02.2017
日本ペインクリニック学会
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ISSN1340-4903
1884-1791
DOI10.11321/jjspc.16-0011

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Summary:小児の複合性局所疼痛症候群(CRPS)に対して末梢神経ブロックを施行し,症状改善を認めた症例を経験したため今回報告する.症例は13歳,女性.転倒による右足関節の捻挫に対し,近医でギプス固定を受けた.その後3カ月間受診せず,両松葉杖での免荷歩行をしていた.ギプス脱後,再度3カ月間受診をせず,右足部の腫脹,痛み,運動障害を認めたため,総合病院整形外科を受診し,CRPSと診断された.入院のうえ加療するも痛みによりリハビリテーション困難となり,当院ペインクリニック科に紹介となった.持続硬膜外麻酔を施行するも,リハビリ中の体動による抜去を繰り返したため,持続坐骨神経ブロック,大伏在神経ブロックを併用し,症状の改善を認めた.さらに病院関係者だけでなく両親および学級担任を含めた心理社会的サポートを追加することで,運動療法を継続でき寛解を得た.小児のCRPSに対して心理社会的なサポートおよび末梢神経ブロックと運動療法の併用は有効な可能性がある.
ISSN:1340-4903
1884-1791
DOI:10.11321/jjspc.16-0011