Carotid webによる中大脳動脈閉塞に対し血栓回収療法を行った後に頚動脈内膜剝離術による根治的血行再建術を施行した1例
54歳女性.構音障害と左上下肢麻痺を主訴に当院へ救急搬送された.MRIでは右中大脳動脈M1遠位部の閉塞を認めた.血栓回収療法を行い,有効再開通を得た.血栓回収療法中に右ICA起始部後壁にcarotid web(CaW)の所見を認め,術後精査にて他の塞栓源となる異常がないことを確認し,CaWによる脳塞栓症の診断に至った.発症から14日後に根治的血行再建術として頚動脈内膜剝離術を施行し,良好な転帰を得た.回収されたフィブリン優位の混合血栓からは,CaWの血栓形成には病変部の血流うっ滞に加えて血小板凝集が関与している可能性が示唆された.危険因子のない特に若年者の塞栓源不明脳塞栓症においては,CaWを...
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          | Published in | 脳卒中 Vol. 47; no. 2; pp. 130 - 135 | 
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| Main Authors | , , , , , , , , , | 
| Format | Journal Article | 
| Language | Japanese | 
| Published | 
            一般社団法人 日本脳卒中学会
    
        2025
     日本脳卒中学会  | 
| Subjects | |
| Online Access | Get full text | 
| ISSN | 0912-0726 1883-1923  | 
| DOI | 10.3995/jstroke.11279 | 
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| Summary: | 54歳女性.構音障害と左上下肢麻痺を主訴に当院へ救急搬送された.MRIでは右中大脳動脈M1遠位部の閉塞を認めた.血栓回収療法を行い,有効再開通を得た.血栓回収療法中に右ICA起始部後壁にcarotid web(CaW)の所見を認め,術後精査にて他の塞栓源となる異常がないことを確認し,CaWによる脳塞栓症の診断に至った.発症から14日後に根治的血行再建術として頚動脈内膜剝離術を施行し,良好な転帰を得た.回収されたフィブリン優位の混合血栓からは,CaWの血栓形成には病変部の血流うっ滞に加えて血小板凝集が関与している可能性が示唆された.危険因子のない特に若年者の塞栓源不明脳塞栓症においては,CaWを念頭に頚動脈精査を行うことが重要であると考えられた. | 
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| ISSN: | 0912-0726 1883-1923  | 
| DOI: | 10.3995/jstroke.11279 |