職域集団で探るメタボリックシンドローム対策

I.はじめに 厚生労働省が実施した平成15年の国民健康・栄養調査結果によるとBody Mass Index(BMI)が25以上として定義された肥満者の割合は,日本人成人男性で27.8%,女性で22.2%であった1).国民栄養調査は終戦直後の国民の栄養状態の把握のために開始されたが,昭和25年以後,国民の平均BMIは若年の女性を除いて増加を続けている2).終戦後の栄養不足解消との観点からは好ましいことであったが,近年ではエネルギー摂取過剰がもたらす健康障害が問題視されるようになり,これは地域住民のみならず,産業の担い手である職域の人々においても同様である3).当教室では,職域の定期健康診断結果を...

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Published in日本循環器病予防学会誌 Vol. 42; no. 1; pp. 1 - 9
Main Author 豊嶋, 英明
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 社団法人 日本循環器管理研究協議会 2007
日本循環器管理研究協議会
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ISSN1346-6267
DOI10.11381/jjcdp2001.42.1

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Summary:I.はじめに 厚生労働省が実施した平成15年の国民健康・栄養調査結果によるとBody Mass Index(BMI)が25以上として定義された肥満者の割合は,日本人成人男性で27.8%,女性で22.2%であった1).国民栄養調査は終戦直後の国民の栄養状態の把握のために開始されたが,昭和25年以後,国民の平均BMIは若年の女性を除いて増加を続けている2).終戦後の栄養不足解消との観点からは好ましいことであったが,近年ではエネルギー摂取過剰がもたらす健康障害が問題視されるようになり,これは地域住民のみならず,産業の担い手である職域の人々においても同様である3).当教室では,職域の定期健康診断結果を健康管理に有効活用し,生活習慣と循環器疾患の発病を繋ぐメカニズムの解明と予防手段の開発を目指して1997年に発足した.第41回日本循環器病予防学会の会長講演の機会に,現在までにこの集団のデータ解析から得られた,肥満とメタボリックシンドローム発現の機序とそれらの予防に関する知見を紹介させて頂く.
ISSN:1346-6267
DOI:10.11381/jjcdp2001.42.1