下肢静脈瘤に対するシアノアクリレートを使用した血管内塞栓術の短期成績

目的:2019年血管内塞栓術が保険適用になり下肢静脈瘤治療の新たな選択肢が加わった.本治療の短期成績と安全性の検討結果を報告する.対象と方法:2020年1~3月に一次性下肢静脈瘤で血管内塞栓術を施行した18例26肢を対象とした.治療標的血管は大伏在静脈と小伏在静脈とし瘤切除は行わず,術後に弾性ストッキングは使用しなかった.検討項目は解剖学的および臨床学的検討,安全性として術直後,1週後,1カ月および3カ月後に前向きに調査した.解剖学的検討は閉塞率とし超音波で評価した.臨床学的検討はVASによる術後疼痛,VCSS, AVVQを使用したQOLおよび安全性とした.結果と考察:術後3カ月の累積完全閉塞...

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Published in静脈学 Vol. 31; no. 3; pp. 131 - 139
Main Authors 黒瀬, 満梨奈, 今井, 崇裕
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本静脈学会 25.11.2020
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ISSN0915-7395
2186-5523
DOI10.7134/phlebol.20-16

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Summary:目的:2019年血管内塞栓術が保険適用になり下肢静脈瘤治療の新たな選択肢が加わった.本治療の短期成績と安全性の検討結果を報告する.対象と方法:2020年1~3月に一次性下肢静脈瘤で血管内塞栓術を施行した18例26肢を対象とした.治療標的血管は大伏在静脈と小伏在静脈とし瘤切除は行わず,術後に弾性ストッキングは使用しなかった.検討項目は解剖学的および臨床学的検討,安全性として術直後,1週後,1カ月および3カ月後に前向きに調査した.解剖学的検討は閉塞率とし超音波で評価した.臨床学的検討はVASによる術後疼痛,VCSS, AVVQを使用したQOLおよび安全性とした.結果と考察:術後3カ月の累積完全閉塞率は92.0%. VASは平均0.6±0.7, VCSSとAVVQはともに術後3カ月の時点でベースラインから有意に改善した.有害事象は静脈炎,過敏症,血腫の流出で計3名であった.結論:血管内塞栓術の治療成績は良好で,術中のTLAや治療器本体が不要であることなどから今後普及が予想される.
ISSN:0915-7395
2186-5523
DOI:10.7134/phlebol.20-16