顎下部腫瘤性病変と顎下腺との位置関係における超音波像の有用性

(目的) 顎下部の超音波診断では顎下腺は解剖学的位置のランドマークとして重要である。そこで過去の顎下部腫瘍性病変の超音波像を顎下腺を中心に再検討することを目的とした。 (対象と方法) 対象は1984年から2005年までの間に当科にて顎下部の超音波診断を施行後, 手術を行った32例である。方法は記録されたエコー像を見直し, 特に顎下腺と腫瘤との関係に注目して検討した。 (結果と考察) 顎下腺のエコー強度は悪性リンパ腫では高エコーが多かった。唾液腺腫瘍ではエコー強度に差はなかった。 腫瘤と顎下腺との位置関係では, 悪性リンパ腫では圧迫型6例, 中間型4例, 唾液腺腫瘍では圧迫型1例, 中間型1例,...

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Published in日本口腔腫瘍学会誌 Vol. 20; no. 2; pp. 119 - 123
Main Authors 山城, 正司, 石川, 均, 岩城, 博, 天笠, 光雄, 道, 泰之, 佐藤, 博幸, 石井, 純一, 山根, 正之
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本口腔腫瘍学会 2008
日本口腔腫瘍学会
Subjects
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ISSN0915-5988
1884-4995
DOI10.5843/jsot.20.119

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Summary:(目的) 顎下部の超音波診断では顎下腺は解剖学的位置のランドマークとして重要である。そこで過去の顎下部腫瘍性病変の超音波像を顎下腺を中心に再検討することを目的とした。 (対象と方法) 対象は1984年から2005年までの間に当科にて顎下部の超音波診断を施行後, 手術を行った32例である。方法は記録されたエコー像を見直し, 特に顎下腺と腫瘤との関係に注目して検討した。 (結果と考察) 顎下腺のエコー強度は悪性リンパ腫では高エコーが多かった。唾液腺腫瘍ではエコー強度に差はなかった。 腫瘤と顎下腺との位置関係では, 悪性リンパ腫では圧迫型6例, 中間型4例, 唾液腺腫瘍では圧迫型1例, 中間型1例, 連続型17例と連続型が圧倒的に多かった。腺内腫瘤と腺外腫瘤で明らかにパターンの違いが見られた。 (結論) 以上より, 腫瘤とともに顎下腺を評価をすることは, 腫瘤性病変の診断の精度をより高くするために必須であると考えられた。
ISSN:0915-5988
1884-4995
DOI:10.5843/jsot.20.119