教育用電子カルテを用いた医療安全教育

「はじめに」 人は誰でもミスを犯すものであり, 根絶することは難しい1). 人はミスを経験:することでミスを起こさないための実践的知識を現場の実践から獲得している2). しかし, 医療現場でミスを恣意的に経験させ, 実践的知識を高める研修・教育の実施はできない. 我々は患者個人情報を匿名化した教育用電子カルテを開発し, これを用いて医学部学生に医療安全教育を2011年度から行っている. この教育では実際に発生したインシデント症例の医療記録を用いている. 学生は記録から, インシデントの誘因や対処法, 他の職種とのコミュニケーションの重要性を能動的に学ぶことで, ミスを防止できる実践的知識の獲得...

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Published in日本クリニカルパス学会誌 Vol. 15; no. 2; pp. 129 - 131
Main Authors 山崎, 友義, 鈴木, 斎王
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本クリニカルパス学会 28.06.2013
日本クリニカルパス学会
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ISSN2187-6592
2436-1046
DOI10.50842/jjscp.15.2_129

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Summary:「はじめに」 人は誰でもミスを犯すものであり, 根絶することは難しい1). 人はミスを経験:することでミスを起こさないための実践的知識を現場の実践から獲得している2). しかし, 医療現場でミスを恣意的に経験させ, 実践的知識を高める研修・教育の実施はできない. 我々は患者個人情報を匿名化した教育用電子カルテを開発し, これを用いて医学部学生に医療安全教育を2011年度から行っている. この教育では実際に発生したインシデント症例の医療記録を用いている. 学生は記録から, インシデントの誘因や対処法, 他の職種とのコミュニケーションの重要性を能動的に学ぶことで, ミスを防止できる実践的知識の獲得を目指している. 本稿では, 教育用電子カルテを用いて, クリニカルパス(以下, パス)の使用によるインシデント発生症例に対する学生たちの実践的知識を獲得する教育活動を報告する. 「教育の目的」 学生がリアルな記録から, インシデントの誘因や対処方法, 他の職種との効果的なコミュニケーションを学ぶことで, ミスを防止できる実践的知識を獲得させる.
ISSN:2187-6592
2436-1046
DOI:10.50842/jjscp.15.2_129