無意識・無拘束生体計測システムによる脊髄損傷患者の心肺機能及び活動評価に関する基礎的検討

脊髄損傷患者において、入院中から在宅まで長期的な健康・リハビリテーション支援を行うために、患者の心肺機能や、活動性の変化を継続的かつ負担なく計測する必要がある。そこで本研究では、患者の心肺機能や、リハビリテーション効果を定量的かつ負担なく評価可能なシステムを構築し、その有効性について基礎的な検討を行った。まず、ベッドマット下に高感度の容量結合型圧力センサを設置する。これにより、患者の脈拍や呼吸に伴う圧力変化を計測し、それぞれの成分の変動性を解析する。これらデータはクラウドサーバーに蓄積され、Webブラウザー・アプリケーションを用いて閲覧可能となっている。一方、頭部、体幹、腰部(仙骨付近)、大腿...

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Published inTransactions of Japanese Society for Medical and Biological Engineering Vol. Annual56; no. Abstract; p. S192
Main Authors 山越, 康弘, 本井, 幸介, 坂井, 宏旭, 樫本, 敬亮, 山越, 憲一, 有地, 祐人, 吉弘, 愛, 江原, 喜人, 田中, 直登
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本生体医工学会 2018
Japanese Society for Medical and Biological Engineering
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ISSN1347-443X
1881-4379
DOI10.11239/jsmbe.Annual56.S192

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Summary:脊髄損傷患者において、入院中から在宅まで長期的な健康・リハビリテーション支援を行うために、患者の心肺機能や、活動性の変化を継続的かつ負担なく計測する必要がある。そこで本研究では、患者の心肺機能や、リハビリテーション効果を定量的かつ負担なく評価可能なシステムを構築し、その有効性について基礎的な検討を行った。まず、ベッドマット下に高感度の容量結合型圧力センサを設置する。これにより、患者の脈拍や呼吸に伴う圧力変化を計測し、それぞれの成分の変動性を解析する。これらデータはクラウドサーバーに蓄積され、Webブラウザー・アプリケーションを用いて閲覧可能となっている。一方、頭部、体幹、腰部(仙骨付近)、大腿、下腿に装着した加速度・ジャイロセンサ内蔵センサーユニットを用いて、リハビリテーション中の姿勢変化を計測する。まず、脊髄損傷患者2名(55歳、74歳男性)において、ベッドシステムを用いることにより、睡眠中の心拍変動パターンを把握でき、さらに呼吸変動性から、チェーンストークスなどを含む無呼吸状態、さらには痰の影響やそのケアの効果などを解析可能であった。一方、脊髄損傷患者1名(21歳女性)において、ウェアラブルシステムにより、座位、移乗、臥位、さらにはプッシュアップ動作などを判別することができ、また体各部の矢状面に対する各角度変化やひねり角度から、患者の動作の特徴が詳細に捉えられた。
ISSN:1347-443X
1881-4379
DOI:10.11239/jsmbe.Annual56.S192