画像処理による細胞集団の形態と機能の定量解析

近年のイメージング技術の発展によって、これまでは見ることができなかったさまざまな生命現象を、ナノスケールの精度で観察できるようになってきた。だが同時に、観察画像は大規模で複雑なものとなり、現象の理解に有用な情報を取り出すための画像解析の専門性は年々高くなっている。画像解析には汎用画像処理ソフトウェアで利用できるような古典的な信号処理フィルタや、機械学習に基づく注目領域の抽出などの幅広い技術があり、さまざまな解析目的に応じて処理法を取捨選択する必要がある。本稿では最新のイメージング技術によって取得した細胞集団や細胞内現象の観察画像に対して、筆者らや共同研究者らがこれまでに行ったノイズ除去、細胞集...

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Published inDrug Delivery System Vol. 36; no. 4; pp. 277 - 285
Main Authors 吉澤, 信, 森田, 正彦, 竹本, 智子, 横田, 秀夫, 山下, 典理男, 西村, 将臣
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本DDS学会 25.09.2021
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ISSN0913-5006
1881-2732
DOI10.2745/dds.36.277

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Summary:近年のイメージング技術の発展によって、これまでは見ることができなかったさまざまな生命現象を、ナノスケールの精度で観察できるようになってきた。だが同時に、観察画像は大規模で複雑なものとなり、現象の理解に有用な情報を取り出すための画像解析の専門性は年々高くなっている。画像解析には汎用画像処理ソフトウェアで利用できるような古典的な信号処理フィルタや、機械学習に基づく注目領域の抽出などの幅広い技術があり、さまざまな解析目的に応じて処理法を取捨選択する必要がある。本稿では最新のイメージング技術によって取得した細胞集団や細胞内現象の観察画像に対して、筆者らや共同研究者らがこれまでに行ったノイズ除去、細胞集団および細胞内骨格の動態解析、細胞膜周辺領域と細胞分裂の検出に関する画像解析法とその周辺技術を紹介する。
ISSN:0913-5006
1881-2732
DOI:10.2745/dds.36.277