a面配向ハイドロキシアパタイト膜の結晶成長メカニズム

歯や骨の主成分であるハイドロキシアパタイト(HA)は、六方晶の結晶構造に由来する電気的異方性を有している。この性質を利用して、クロマトグラフィやバイオセンサ、人工関節など広い分野での応用が行われている。我々は、異方性の特長をさらに効率的に活用することを目的として、配向制御HA膜作製法の研究を行ってきた。その結果、パルスレーザーデポジション法を用いて、基板種を選択することにより、実験的にa面、c面配向HA膜を作り分けることに成功した。後者については、エピタキシーを期待して六方晶系のサファイア単結晶基板やZnO膜上に実現することができ、その成長メカニズムは概ね理解することができたが、前者については...

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Published inTransactions of Japanese Society for Medical and Biological Engineering Vol. Annual56; no. Abstract; p. S251
Main Authors 常峰, 知也, 岡田, 悠希, 楠, 正暢, 渡部, 由香
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本生体医工学会 2018
Japanese Society for Medical and Biological Engineering
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ISSN1347-443X
1881-4379
DOI10.11239/jsmbe.Annual56.S251

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Summary:歯や骨の主成分であるハイドロキシアパタイト(HA)は、六方晶の結晶構造に由来する電気的異方性を有している。この性質を利用して、クロマトグラフィやバイオセンサ、人工関節など広い分野での応用が行われている。我々は、異方性の特長をさらに効率的に活用することを目的として、配向制御HA膜作製法の研究を行ってきた。その結果、パルスレーザーデポジション法を用いて、基板種を選択することにより、実験的にa面、c面配向HA膜を作り分けることに成功した。後者については、エピタキシーを期待して六方晶系のサファイア単結晶基板やZnO膜上に実現することができ、その成長メカニズムは概ね理解することができたが、前者についてはAu膜上でのみ確認されており、成長メカニズムについては明らかになっていなかった。そこで本研究では、a面配向HAの成長メカニズムについての検討を行った。Auの表面エネルギーに着目し、成膜中の真空度と成長温度を踏まえ、Au-HA界面でのHA粒子のマイグレーションと結晶核形成について考察した。その結果、Volmer-Weber型の成長モデルで説明することができることが明らかとなった。
ISSN:1347-443X
1881-4379
DOI:10.11239/jsmbe.Annual56.S251