アプリンジンによる薬剤性肺障害の1例

アプリンジンはⅠ群抗不整脈薬としてわが国で用いられている.今回われわれは,本剤による薬剤性肺障害の1例を経験した.患者は透析開始後から始まる心房細動に対して本剤を投与され,内服を開始した数日後から乾性咳嗽・労作時呼吸困難が出現.胸写・胸部CTで肺野に新たな浸潤影がみられ,白血球増多を認めたため,薬剤性肺障害を疑って中止したところ,間もなく症状は軽快し,画像・検査所見も改善した.後日施行した薬剤によるリンパ球刺激試験は陰性であった.本剤による薬剤性肺障害の報告は本邦以外からはほとんどなく,文献考察を含めて報告する....

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Published in心臓 Vol. 45; no. 9; pp. 1161 - 1167
Main Authors 寺柿, 政和, 槇野, 亮次郎, 杉田, 省三, 坂田, 真里子, 古満, 豊, 井上, 圭右, 伴, 啓彦, 嶋, 英昭, 岡村, 幹夫, 河野, 仁美
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 日本心臓財団 15.09.2013
日本心臓財団・日本循環器学会
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ISSN0586-4488
2186-3016
DOI10.11281/shinzo.45.1161

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Summary:アプリンジンはⅠ群抗不整脈薬としてわが国で用いられている.今回われわれは,本剤による薬剤性肺障害の1例を経験した.患者は透析開始後から始まる心房細動に対して本剤を投与され,内服を開始した数日後から乾性咳嗽・労作時呼吸困難が出現.胸写・胸部CTで肺野に新たな浸潤影がみられ,白血球増多を認めたため,薬剤性肺障害を疑って中止したところ,間もなく症状は軽快し,画像・検査所見も改善した.後日施行した薬剤によるリンパ球刺激試験は陰性であった.本剤による薬剤性肺障害の報告は本邦以外からはほとんどなく,文献考察を含めて報告する.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo.45.1161