NICU・GCUの患児における周術期予防的抗菌薬の使用方法についての検討

国内の新生児外科における周術期予防的抗菌薬の使用方法についてのエビデンスは乏しい.本研究は総合病院内で周産期センターを有する当院の新生児およびNICU・GCUに入院中の外科疾患の患児への周術期予防的抗菌薬の投与内容や投与期間の現状を明らかにすることを目的とした.対象は小児外科で手術を行った新生児,もしくは周術期にNICU・GCUに入院中の患児とし,診療録の記載から後方視的に調査した.2013年1月から2022年12月までの10年間,169例について解析した.手術部位感染(Surgical Site Infection;SSI)は15例(8.9%)に発症した.投与内容については成人や海外のガイド...

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Published in日本周産期・新生児医学会雑誌 Vol. 60; no. 2; pp. 197 - 204
Main Authors 中尾, 厚, 則内, 友博, 高見, 尚平, 米田, 立, 藤代, 準, 尾花, 和子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本周産期・新生児医学会 2024
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ISSN1348-964X
2435-4996
DOI10.34456/jjspnm.60.2_197

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Summary:国内の新生児外科における周術期予防的抗菌薬の使用方法についてのエビデンスは乏しい.本研究は総合病院内で周産期センターを有する当院の新生児およびNICU・GCUに入院中の外科疾患の患児への周術期予防的抗菌薬の投与内容や投与期間の現状を明らかにすることを目的とした.対象は小児外科で手術を行った新生児,もしくは周術期にNICU・GCUに入院中の患児とし,診療録の記載から後方視的に調査した.2013年1月から2022年12月までの10年間,169例について解析した.手術部位感染(Surgical Site Infection;SSI)は15例(8.9%)に発症した.投与内容については成人や海外のガイドラインと比較し異なるスペクトラムの抗菌薬が選択されることが多かった.多くの術式で長期投与の傾向にあったが,投与日数別でSSI発症率を比較すると長期投与が必ずしもSSI予防に寄与しない可能性が示唆された.
ISSN:1348-964X
2435-4996
DOI:10.34456/jjspnm.60.2_197