終末期悪性腫瘍患者における2週間の予後を予測する血液検査データの検討
終末期悪性腫瘍患者の短期予後を予測することは,終末期ケアの質を高める上で重要である。これまでに報告された終末期悪性腫瘍患者の予後予測のためのスコアリングシステムの多くは,患者・医師の主観の影響を受け,重症度への考慮が不十分であることなどの制限がある為,より客観性の高い予後予測が求められている。本研究ではルーチン血液検査項目を用いて終末期悪性腫瘍患者における2週間の予後を予測するLaboratory Prognostic Score(LPS)を作成し,その妥当性を検証した。LPSはCRP ≥ 6.0(mg/dL),Alb ≤ 2.7(g/dL),BUN ≥ 26(mg/dL),WBC ≥ 10....
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Published in | 医学検査 Vol. 68; no. 2; pp. 238 - 246 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会
25.04.2019
日本臨床衛生検査技師会 |
Subjects | |
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ISSN | 0915-8669 2188-5346 |
DOI | 10.14932/jamt.18-84 |
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Summary: | 終末期悪性腫瘍患者の短期予後を予測することは,終末期ケアの質を高める上で重要である。これまでに報告された終末期悪性腫瘍患者の予後予測のためのスコアリングシステムの多くは,患者・医師の主観の影響を受け,重症度への考慮が不十分であることなどの制限がある為,より客観性の高い予後予測が求められている。本研究ではルーチン血液検査項目を用いて終末期悪性腫瘍患者における2週間の予後を予測するLaboratory Prognostic Score(LPS)を作成し,その妥当性を検証した。LPSはCRP ≥ 6.0(mg/dL),Alb ≤ 2.7(g/dL),BUN ≥ 26(mg/dL),WBC ≥ 10.2(×109/L),Eos ≤ 0.4(%),Lymph ≤ 0.620(×109/L),PLT ≤ 183(×109/L)の7つの各因子を1点とし,その合計点から成る。2週間以内の死亡を予測するLPSの最適カットオフ値は4点で,探索群においてその感度は69%,特異度は82%であった。LPSは終末期悪性腫瘍患者において有用な客観的予後予測ツールとなる可能性がある。 |
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ISSN: | 0915-8669 2188-5346 |
DOI: | 10.14932/jamt.18-84 |