薬局薬剤師のコミュニケーションのトラブルを回避するために薬剤師として求められる基本的な資質・能力と社会的スキル

「緒言」 患者と医療者とのコミュニケーションは「患者中心の医療」の中心的な要素である. 医療者のコミュニケーションが, 患者の満足度, 医療者への信頼, 治療へのアドヒアランス, そして近年では健康上のアウトカムにも影響を及ぼすことが明らかにされている. 2015年, 厚生労働省から患者本位のかかりつけ薬局に再編するため, 「患者のための薬局ビジョン」が策定された(https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000102179.html, 2023年5月10日). 患者のための薬局ビジョンの全体を貫く基本的な考え方の1つが「対物業務から対人業務へ」である. 対人業務の...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in医療薬学 Vol. 50; no. 8; pp. 429 - 439
Main Authors 初﨑, ちあき, 伊藤, 由紀, 鈴木, 弘誉, 金子, 武史, 岩田, 孝彰
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人日本医療薬学会 10.08.2024
日本医療薬学会
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN1346-342X
1882-1499
DOI10.5649/jjphcs.50.429

Cover

More Information
Summary:「緒言」 患者と医療者とのコミュニケーションは「患者中心の医療」の中心的な要素である. 医療者のコミュニケーションが, 患者の満足度, 医療者への信頼, 治療へのアドヒアランス, そして近年では健康上のアウトカムにも影響を及ぼすことが明らかにされている. 2015年, 厚生労働省から患者本位のかかりつけ薬局に再編するため, 「患者のための薬局ビジョン」が策定された(https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000102179.html, 2023年5月10日). 患者のための薬局ビジョンの全体を貫く基本的な考え方の1つが「対物業務から対人業務へ」である. 対人業務の強化を実践するためには, 患者とその家族, 医療従事者等との間で好ましい関係を構築するための社会的スキルおよびコミュニケーションスキルの習得が必須である. しかしながら, 薬剤師はコミュニケーションが下手であるとされ, 薬剤師の多くはコミュニケーションで対応に苦慮した問題(コミュニケーションのトラブル)に多く遭遇していると考えられる.
ISSN:1346-342X
1882-1499
DOI:10.5649/jjphcs.50.429