プロセスアプローチとアウトカムアプローチの連携による医療の質管理

健全な病院経営(組織運営)を継続させていくには、3つの視点に立脚したアウトカム、すなわち、①臨床(臨床成績、合併症)、②財務(収益、費用対効果など)、③満足度(患者・医療従事者双方)アウトカムをバランスよく高めていく必要がある。またこれには「質管理の3本柱(質保証、継続的改善、質測定)」に病院組織として取り組むことが欠かせないと考える。医療における質保証は、「患者に必要な当たり前の医療を的確に安全に実施する」ことであり、診療プロセスの標準化とその提供は欠かせない。質改善の手法には大別して、プロセスアプローチとアウトカムアプローチがある。それぞれクリニカルパスと臨床指標の活用がそれに相当する。両...

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Published in日本クリニカルパス学会誌 Vol. 11; no. 1; pp. 59 - 62
Main Author 岡本, 泰岳
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本クリニカルパス学会 20.02.2009
日本クリニカルパス学会
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ISSN2187-6592
2436-1046
DOI10.50842/jjscp.11.1_59

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Summary:健全な病院経営(組織運営)を継続させていくには、3つの視点に立脚したアウトカム、すなわち、①臨床(臨床成績、合併症)、②財務(収益、費用対効果など)、③満足度(患者・医療従事者双方)アウトカムをバランスよく高めていく必要がある。またこれには「質管理の3本柱(質保証、継続的改善、質測定)」に病院組織として取り組むことが欠かせないと考える。医療における質保証は、「患者に必要な当たり前の医療を的確に安全に実施する」ことであり、診療プロセスの標準化とその提供は欠かせない。質改善の手法には大別して、プロセスアプローチとアウトカムアプローチがある。それぞれクリニカルパスと臨床指標の活用がそれに相当する。両者の連携による質管理の実例(救急外来における急性心筋梗塞診療)を挙げて紹介する。クリニカルパスや臨床指標による質管理には、不向きな分野など限界や問題点がある。これらを解決し上手に使いこなすためには「人(教育)」と「環境(しくみ)」が必要である。質管理を組織的に効率良く継続していくのにTQM(Total Quality Management)の概念は有用である。TQMの概念を取り入れた質管理の組織体制・風土つくりへの取り組みも併せて紹介する。
ISSN:2187-6592
2436-1046
DOI:10.50842/jjscp.11.1_59