慢性腎臓病患者におけるダプロデュスタットとクロピドグレルの薬物間相互作用:ケースシリーズ研究

「緒言」腎性貧血とは, 「腎臓においてヘモグロビンの低下に見合った十分量のエリスロポエチンが産生されないことによってひき起こされる貧血であり, 貧血の主因が腎障害以外に求められないもの」と定義されている. エリスロポエチンの産生低下以外の貧血発症要因としては, 何らかの因子による赤血球造血の抑制・赤血球寿命の短縮・鉄代謝の障害・透析回路における残血・出血・栄養障害など, 様々な因子の関与が想定されているが, 十分に解明はされていない. 腎性貧血に限らず貧血を有することで起きうる合併症としては, 高齢地域住民の移動・活動の低下, 生活の質の低下, 疲労, うつ病, 認知症, せん妄(入院患者),...

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Published in医療薬学 Vol. 50; no. 5; pp. 258 - 263
Main Authors 山下, 修司, 高嶋, 祥匡, 林, 秀樹, 市江, 敏和, 三浦, 毅, 鈴木, 大介
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人日本医療薬学会 10.05.2024
日本医療薬学会
Subjects
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ISSN1346-342X
1882-1499
DOI10.5649/jjphcs.50.258

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Summary:「緒言」腎性貧血とは, 「腎臓においてヘモグロビンの低下に見合った十分量のエリスロポエチンが産生されないことによってひき起こされる貧血であり, 貧血の主因が腎障害以外に求められないもの」と定義されている. エリスロポエチンの産生低下以外の貧血発症要因としては, 何らかの因子による赤血球造血の抑制・赤血球寿命の短縮・鉄代謝の障害・透析回路における残血・出血・栄養障害など, 様々な因子の関与が想定されているが, 十分に解明はされていない. 腎性貧血に限らず貧血を有することで起きうる合併症としては, 高齢地域住民の移動・活動の低下, 生活の質の低下, 疲労, うつ病, 認知症, せん妄(入院患者), 転倒などのリスク上昇が知られており, また, 地域在住や施設入所の高齢者や心疾患または腎疾患を有する方, 心臓以外の手術を受けている方において貧血は死亡率を上昇させるリスク因子である.
ISSN:1346-342X
1882-1499
DOI:10.5649/jjphcs.50.258