緊急手術における消化管ストーマ造設後のストーマ早期合併症についての検討

【目的】緊急ストーマ造設術におけるストーマ早期合併症の危険因子を抽出し、外科医師のストーマ作成の現状を把握する。【方法】2010年7月~2015年6月に緊急消化管ストーマ造設術を施行した症例を対象に、ストーマ早期合併症に関して後方視的に検討した。合併症発生群と非発生群間の比較による多変量解析で独立危険因子を抽出した。外科医師を対象にストーマ作成に関するアンケート調査を実施した。【結果】症例は206例(平均年齢71.8歳、男/女:108/98)で、ストーマ早期合併症が80例(38.8%)に発生し、ストーマ粘膜皮膚離開59例(28.6%)、ストーマ壊死21例(10.2%)であった。その独立危険因子...

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Published in日本ストーマ・排泄リハビリテーション学会誌 Vol. 38; no. 3; pp. 137 - 144
Main Authors 柏木, 秀幸, 若林, 久美子, 梶本, 徹也, 良元, 和久, 坪井, 一人
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本ストーマ・排泄リハビリテーション学会 2022
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ISSN1882-0115
2434-3056
DOI10.32158/jsscr.38.3_137

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Summary:【目的】緊急ストーマ造設術におけるストーマ早期合併症の危険因子を抽出し、外科医師のストーマ作成の現状を把握する。【方法】2010年7月~2015年6月に緊急消化管ストーマ造設術を施行した症例を対象に、ストーマ早期合併症に関して後方視的に検討した。合併症発生群と非発生群間の比較による多変量解析で独立危険因子を抽出した。外科医師を対象にストーマ作成に関するアンケート調査を実施した。【結果】症例は206例(平均年齢71.8歳、男/女:108/98)で、ストーマ早期合併症が80例(38.8%)に発生し、ストーマ粘膜皮膚離開59例(28.6%)、ストーマ壊死21例(10.2%)であった。その独立危険因子は高血圧症と後期レジデント医執刀であった。アンケート調査では、腹壁貫通孔の作成方法や抜糸に関して医師間で相違を認めた。【結論】緊急手術におけるストーマ早期合併症を防止するには、高血圧症に注意するとともに、ストーマ造設手技や後期レジデント医への指導方法を外科医師間で統一する必要性が示唆された。
ISSN:1882-0115
2434-3056
DOI:10.32158/jsscr.38.3_137