ICUにおける早期栄養介入管理加算

海外には重症病態の栄養治療ガイドラインが存在するが本邦にはなかった. そこで, 日本集中治療医学会は本邦の臨床実情を考慮した日本版重症患者の栄養療法ガイドライン総論を2016年に, 病態別を2017年に論文として誌上発表し, そのダイジェスト版を冊子として2018年に刊行した. 2020年の診療報酬改定で特定集中治療室を対象に新設された早期栄養介入管理加算では, その要件としてこのガイドラインに沿った治療を行うこと, 特に入室後48時間以内に経腸栄養が開始されることが要件となった. 早期経腸栄養開始の効果を示す観察研究は本加算の新設前に行われている.2022年の改定では, 対象が救命救急入院料...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in外科と代謝・栄養 Vol. 58; no. 5; pp. 146 - 152
Main Authors 高橋, 路子, 山田, 勇, 小谷, 穣治
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本外科代謝栄養学会 15.10.2024
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0389-5564
2187-5154
DOI10.11638/jssmn.58.5_146

Cover

More Information
Summary:海外には重症病態の栄養治療ガイドラインが存在するが本邦にはなかった. そこで, 日本集中治療医学会は本邦の臨床実情を考慮した日本版重症患者の栄養療法ガイドライン総論を2016年に, 病態別を2017年に論文として誌上発表し, そのダイジェスト版を冊子として2018年に刊行した. 2020年の診療報酬改定で特定集中治療室を対象に新設された早期栄養介入管理加算では, その要件としてこのガイドラインに沿った治療を行うこと, 特に入室後48時間以内に経腸栄養が開始されることが要件となった. 早期経腸栄養開始の効果を示す観察研究は本加算の新設前に行われている.2022年の改定では, 対象が救命救急入院料1〜4, ハイケアユニット入院医療管理料1, 2, 脳卒中ケアユニット入院医療管理料, 小児特定集中治療室管理料を算定する治療室にも拡大された. 専任の管理栄養士の配置は新設時から要件になっている. 令和2年の新設時には48時間以内の早期経腸栄養が開始されれば入院日に遡って一日400点が加算されたが,令和4年の改定では早期経腸栄養開始日以前は250点に減額された.
ISSN:0389-5564
2187-5154
DOI:10.11638/jssmn.58.5_146